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MacにPlantUMLをインストール

PlantUMLは、UML図作成ソフトウェアである。テキストでUML図を作れるので便利。オンラインコンバータもあるが、今回はMacでPlantUMLを使えるようにする。PlantUMLの実行に必要なJavaGraphvizのインストール方法も説明する。

環境

Requirements

Javaのインストール(今回はOpenJDKのJava 11)

  • ここから openjdk-11*_bin.tar.gz をダウンロード
  • openjdk-11*_bin.tar.gz をダウンロードしたディレクトリに移動
  • $ tar -xzf openjdk-11*_bin.tar.gz
  • # mv jdk-11*.jdk /Library/Java/JavaVirtualMachines
  • $ java -version を実行し、期待するバージョンが表示されるかを確認。異なるバージョンが表示される場合は次に進む
  • $ /usr/libexec/java_home -V を実行し、バージョンを確認
Matching Java Virtual Machines (1):
    11.0.2, x86_64: "OpenJDK 11.0.2"    /Library/Java/JavaVirtualMachines/jdk-11.0.2.jdk/Contents/Home

/Library/Java/JavaVirtualMachines/jdk-11.0.2.jdk/Contents/Home
  • ~/.bashrc 等に export JAVA_HOME=`/usr/libexec/java_home -v [期待するバージョン]` を追記。この場合は 11.0.2
  • $ exec $SHELL -l
  • $ java -version を実行し、期待するバージョンが表示されたら成功

Graphvizのインストール

  • $ brew doctor && brew update
  • $ brew install graphviz
  • $ brew list | grep graphviz を実行し、インストールされていることを確認

前提(または準備)

  • ホームディレクトリ直下に bin, src, jar/plantuml の3つのディレクトリがある。無ければ作る
  • ~/bin にPATHが通っている。通っていない場合は、~/.bashrc 等に export PATH="$HOME/bin:$PATH" を追記し、 $ exec $SHELL -l を実行

PlantUMLのインストール

  • ここから plantuml.jar をダウンロード
  • plantuml.jar を ~/jar/plantuml に移動
  • ~/src/plantuml.sh を作成
#!/bin/bash

java -jar $HOME/jar/plantuml/plantuml.jar "$@"
  • $ chmod +x ~/src/plantuml.sh
  • $ ln -s ~/src/plantuml.sh ~/bin/plantuml
  • $plantuml -v を実行し、バージョンが表示されたら成功

Usage

$ plantuml [input]
e.g., $ plantuml test.pu を実行すると、test.png が生成される

詳しい使い方は、 $ plantuml -h 等で確認してください。

LaTeX数式記法への対応

UML図に数式を入れる場合、LaTeX記法を使えるようにする。

  • ここから plantuml-jlatexmath.zip をダウンロード
  • plantuml-jlatexmath.zip をダウンロードしたディレクトリに移動
  • $ unzip plantuml-jlatexmath.zip
  • $ mv plantuml-jlatexmath/*.jar ~/jar/plantuml
  • textest.pu を作成
@startlatex
\sum_{i=0}^{n-1} (a_i + b_i^2)
@endlatex
  • $ plantuml textest.pu を実行し、以下のような textest.png が生成されたら成功

textest.png
textest.png

スタイル

PlantUMLはデフォルトのデザインがダサく、解像度も低いので、Skinparamをいじってあげると良い。フォント等も変えられる。

例えば、以下のような style.pu を作成し、別のpuファイルで !include style.pu と書くことで、style.pu の内容を適用できる。

skinparam {
  defaultFontName Avenir Next
  dpi 300
  monochrome true
  shadowing false
}

参考:Changing colors and fonts

プレビュー

Visual Studio CodeにPlantUMLのプラグインをインストールすると,puファイルのテキストを編集しながら,UML図のプレビューを確認できる.
PlantUML - Visual Studio Marketplace

参考:Visual Studio Code で UML を描こう! - Qiita

参考

闇動画8

今回は『闇動画8』というオリジナルビデオについて。
(Kazuto Kodama. Yamidoga 8. Japan: 2013.)

1. おつかれさま

インターネット上の都市伝説を検証していたというテレビ番組。招霊術の一種を試してみた後、番組スタッフたちが導かれてしまった場所とは?

元ネタは旧2chの洒落怖。一箇所、何かが映るがリプレイ等で言及されない箇所があって良かった。

2. 爆光

アジア大陸某国の上空から撮影されたスマートフォンの動画。降雪が美しい山岳地帯を何気なく記録していた映像提供者は奇怪な現象に遭遇した...。

こういうタイプの映像もあるんだ、という感じ。

3. 帰り道などない

フリーライター集団自殺の様子を隠し撮りした映像。しかしその集団自殺には驚くべき別の目的があり、撮影者は巻き込まれてしまうことになる!

設定がかなり面白い。集団自殺後、他のみんなが死んだと思ったら、実は2人生きていたことが発覚する瞬間が超怖い。それ以降はそうでもなかった。

4. 牢獄

映像提供者は東南アジアにある洞窟を観光で訪ねた。かつて牢獄として使用されていたそこで数多くの罪人たちがその生を終えたというのだが...。

微妙。
このシリーズ、霊的な顔の映し方がワンパターンな気がしないでもない。

5. 邪教

人気オカルト番組に投稿されてきた映像。地元の人間は誰も近づかないという建物に侵入した投稿者たち。そこで待ち受けていた数々の怪異現象とは?

かなり怖い。予兆の奇妙な音が良い味を出している。正統に怖いのでホラー初心者にもお勧めしたい。

P.S.

『帰り道などない』の設定の面白さと、『邪教』の完成度の高さが良かった。
各話あらすじは公式サイトから引用。

2018年映画ベスト10

2018年映画ベスト4

今年観た新作26本の中で特に好きな4作品。観た作品数が少ないので参考程度。

  1. アンダー・ザ・シルバーレイク
    (David Robert Mitchell. Under the Silver Lake. United States: 2018.)

  2. へレディタリー/継承
    (Ari Aster. Hereditary. United States: 2018.)

  3. 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
    (Yorgos Lanthimos. The Killing of a Sacred Deer. Ireland and United Kingdom: 2017.)

  4. シェイプ・オブ・ウォーター
    (Guillermo del Toro. The Shape of Water. United States: 2017.)

2018年映画オールタイムベスト10

今年観た108本(旧作含む)の中で特に好きな10作品。

  1. アンダー・ザ・シルバーレイク
    (David Robert Mitchell. Under the Silver Lake. United States: 2018.)

  2. グラインドハウス
    (Robert Rodriguez, Quentin Tarantino, Rob Zombie, Edgar Wright, Eli Roth and Jason Eisener. Grindhouse. United States: 2007.)

  3. 死画像
    (Shigazo. Japan: 2015.)

  4. グッドフェローズ
    (Martin Scorsese. Goodfellas. United States: 1990.)

  5. エル ELLE
    (Paul Verhoeven. Elle. France and Germany: 2016.)

  6. 昼顔
    (Luis Buñuel. Belle de Jour. France and Italy: 1967.)

  7. マーターズ
    (Pascal Laugier. Martyrs. France and Canada: 2008.)

  8. オールド・ボーイ
    (Park Chan-wook. Oldboy. South Korea: 2003.)

  9. 籠の中の乙女
    (Yorgos Lanthimos. Dogtooth. Greece: 2009.)

  10. メトロポリス
    (Fritz Lang. Metropolis. Germany: 1927.)

死画像

これは傑作。この記事は読まなくて良いのですぐに観てください。
2015 年にアムモ 98 が出したオリジナルビデオで、本編はこちらなどで観られます。

1. 錯死霊

廃校になった母校の美術室に忍び込む男たち。そこにあったのは、ある生徒が死の直前に描いたという絵…。

映像作品における幽霊描写の試み。あまり怖くはないが。

2. 死の報告者

大学の自主映画サークルの会合に、いきなり侵入してきた見知らぬ男。彼はいったい何者なのか…。

これもあまり怖くない。死の瞬間の描き方で少しおっ、と思ったが、後で白石晃士作品1を観ると同じ演出があったので特に新しくはない。というかよくある演出なのかも。

3. 霊感テスト

廃墟で拾ったボロボロのVHSテープ。そこに映るのは、一見何の変哲もない映像に思えたのだが…。

呪いのビデオ系の正統派良作。『リング』の呪いのビデオより怖いかも。

4. 歌声

毎晩同じ時間に、歌を口ずさみながら住宅街を歩く中年男性。彼を驚かせようと、後を尾けてみると…

この手のB級ホラーVシネの楽しみ方として、ツッコミを入れながら観るというのがあると思うが、この作品では制作スタッフ自らがセルフツッコミを入れる。しかもこのツッコミがわりと面白い。

5. 貫通

買ったばかりのビデオカメラで同棲中の恋人を撮影していると、突然の停電。復旧後に映ったものは…。

『死画像』の中では最もオーソドックスな作品だと思う。次の超前衛的な『クニコ』の前というのが良い位置。微エロ要素あり。

6. クニコ

少女の自殺を伝えるニュース映像。それを観た者にふりかかるのは、世にも恐ろしい究極の呪いだった…。

これはやばい。今まで観た中でもトップクラスに怖い。とにかく予想外の展開・演出に自分は三度驚かされた。新感覚の地獄の恐怖体験。

本作の特徴として、VHSビデオテープという媒体の怖さを究極に表現しているというところがある。
録画の繰り返しよるノイズ・一瞬映る、上書き前に録画されていた映像・録画映像が終わった後の永遠に続くかのような青い画面。
こういったものに不気味さを感じた経験のある人は間違いなく恐怖を感じる。逆にこの感覚が分からない、あるいはそもそもVHSを知らない、という人には伝わりにくい怖さかも知れない。

呪いのVHSというのは表面的な演出だが、本作の本質的な恐怖演出は、他に観たことが無い方向に振り切っていて斬新。
正直、アイデア一発で初見殺しだが、二度と見返したくないと思えるようになっているので、初見殺しでも問題無いし、一度観たら一生忘れられない強烈さがある。

P.S.

全編を通して面白いアイデアを試みており、クニコで(事故的に?)完全にハマってしまった怪作。超怖い。やばい。
なお、各話あらすじは公式サイトから引用しました。


  1. Kōji Shiraishi. Occult. Japan: 2009.
    Kōji Shiraishi. 戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-01【口裂け女捕獲作戦】. Japan: 2012.

ふたりはプリキュア

  • プリキュアは世界の平和のために戦うのかと思っていたら違った。プリキュアは、自分や、自分の大切な人のために戦う。非常に自分主義的で良い。主人公が戦う女の子という点も相まって更に良い。プリキュアが本気になるのはいつも、自分の大切な人が傷付けられたとき
  • OPのアニメーションが良い。なぎさとほのかが出会う前から、8話を通して結束し、敵に立ち向かうまでの本編のストーリーが集約されている
  • EDの歌詞が良い。プリキュアの自分主義的な思想を反映していて良い。世界の平和を守ることより、チョコパフェとイケメンが大事という絶対的真理
  • プリキュアの衣装が超良い
  • 有名な8話はやはり最高
  • 8話以外のストーリーは退屈なことが多い
  • 単純な作品の完成度としては、「1-8話 + 残りを5話分に圧縮」で1クールの長さにすると丁度良さそう。でも、1年通してやるとキャラへの愛着がより湧くし、そもそも女児アニとしてはこの濃度でも良いと思う(もっと濃くても良いけど)

Roleplayer by Benjamin Earl

数日前に発売されたBenjamin Earlの電子書籍『Roleplayer』のレビューです。
本人のサイトで購入できます。
https://www.benjaminearl.com/product-page/roleplayer

Roleplayerの現象は次の通り。

観客は好きなカードの名前を言った後、デックをシャッフルする。その後、観客自らがそのカードのフォーオブアカインドを見つけ出す。この間、演者はデックに手を触れない。

内容は、Roleplayer複数バージョンの手順解説と、そこで使える技法・理論解説。
最近のEarlらしく、手順はシンプル・ダイレクト・大胆な感じ。この手順の核は、タイトルにもなっている「roleplayer」の部分。

技法部分は様々なサトルティ・アイデアが書かれていて良い感じ。例えば複数枚のカルなど。この辺りは他のカードマジックにも応用しやすい。特に「Real Ace Cutting」とか。

理論部分は、演者の態度や観客の記憶コントロールについて。
リアルな体験を観客に提供するには、観客の記憶をコントロールする必要がある。そのために演者はどのような態度を取り、どこに注意を向けさせるべきか?といった内容。

また彼は、観客に少しも疑いを持たせないことを徹底していて、スライト・原理・ギミックの気配を感じさせる手法を排除している。その結果、使える手法は限られてくるようで、いつも同じようなスライトや原理を使ってる印象がある(C-C-Forceとか…)。ちょっと特定の技法を信頼し過ぎではないかと思わなくもないが、技法そのものだけでなく、態度や心理テクニック等でカバーするということだろう。

彼のマジック全てに通じるが、徹底的に観客目線でマジックを作っているのが良い。実際に上手く機能するかという点は難しいが、個人的にはある程度上手くいきそうに思う。少なくとも方向性は正しいと思う。

全体としていつもの彼らしい感じなので、ものすごく目新しい部分などは無い。『Less Is More』辺りを読んでいると冗長に感じる部分も多い。
ただ、彼のマジックが好きなら間違いなく面白いだろうし、特に技法部分のサトルティは応用しやすく勉強になる。
お勧めです。