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楽に早起きする方法

昔から早起きが苦手だったのだが、楽に早起きする方法を見付けた気がするので紹介する。当然、万人に合うとは限らないが、自分はうまくいっている。ちなみに超平凡な方法。

TL;DR

帰宅したらすぐに食事・シャワー・歯磨きだけを済ませてすぐに寝る。原則、他のことはやらない。すぐに寝ることで確実に早起きできる。

自分が早起きが苦手な理由

自分が早起きが苦手な理由は、就寝・起床時刻が決められていることにプレッシャーを感じるから。つまり、「○時までに起きなければならない」、そのために「○時までに寝なければならない」といったような状況が苦手。同じ理由で早起きが苦手な人には今回の方法が合う可能性が高い。

方法

会社や学校などから帰宅したらすぐに食事・シャワー・歯磨きだけを済ませてすぐに寝る。原則、他のことはやらない。

メリット

  • ほぼ確実に早起きできる
  • ○時までに寝なければ/起きなければならないというプレッシャーが無い(早く寝ることだけを考えれば良い)
  • 十分な睡眠時間を確保できる
  • 起床時間から逆算した時刻に寝ないので、睡眠時間を柔軟に調整可能(e.g., 疲れているので 1 時間長めに眠る)
  • 早朝にまとまった時間を確保できる
  • 十分な睡眠を伴う起床後という、頭が冴えている時間を自分の好きなことに使える

デメリット

  • 夜に自由時間が無い
  • 睡眠可能時間に余裕があるため、必要以上に寝過ぎてしまうことがある

ポイント

とにかく帰宅後は早く寝ることだけを考える。ただし「○時までに寝なければならない」といった制約は(少なくとも自分にとっては)プレッシャーになるので避ける。

自分は朝の自由時間を少しでも多く確保するために、平日の食事は簡単に済ませ、入浴も湯船には入らずシャワーで済ませている。しかし、食事(料理)や入浴自体が楽しみという人はここに時間を割いて良いと思う。いずれにせよ、自分が最もストレスを感じない方法が好ましいと思う。

John Scarne's Think a Card

今回は John Scarne の『John Scarne's Think a Card』1 について。

現象

観客がシャッフルしたデックをテーブルに表向きで広げる。2 人の観客と演者がそれぞれ 1 枚のカードを思い浮かべる。演者はそれぞれが思い浮かべているカードの予言を紙に書き、各自の前に置く。各自が思い浮かべているカードがデックから抜き出され、対応する予言の紙がカードの上に置かれる。観客が予言の紙とカードを確認すると、3 つそれぞれが一致している。

演者が自身が思い浮かべたカードを予言するというのはおかしく見えるが、実際の現象は異なる。実際の現象では、演者が自身のカード用の予言を書いた後に、裏向きにスプレッドしたデックから観客が 1 枚を抜き出し、それをマジシャンのカードとしている。よって、このカードは思い浮かべたカードでなく、誰も知らないカードと言った方が正しいし、そのように演出すれば良いだろう。

カードマジックではカード単体でトリックを考えがちだが(少なくとも自分は)、本作のように予言の紙(e.g., メモ用紙、レシート)のようなマテリアルを追加することでアプローチの幅が広がるので、このような考えは柔軟に取り入れていきたい。特にメモ用紙やレシートのような身近なマテリアルは手品臭が少ないので自分の好みにも合う。

原理はシンプルだが充分に通用するトリックだと思う。どこかで試したい。


  1. John Scarne and Dr. Jacob Daley, “John Scarne’s Think a Card”. 1938.

『入門 HTML5』を読んだ

ふいんきで HTML を書いてはいるものの HTML5 についてちゃんと勉強してなかったので、今更ながらオライリーの『入門 HTML51 電子版を読んだ。なお、本書は「HTML5」の入門書であって「HTML」の入門書ではないので、「HTML5」の新機能(差分)を知りたい人向け。

内容としては、HTML5 に至るまでの HTML(と XHTML 等)の歴史から始まり、HTML5 対応検出方法・アウトライン(section とか)・Canvas・video 要素・Geolocation API・ローカルストレージ・オフライン Web・フォーム・マイクロデータといった、HTML5 の新機能の要点が一通りまとまっている。従来の HTML と違い、HTML5 では何ができるようになり、何が嬉しいのかがよく分かる。

個人的には、1 章の HTML5 に至るまでの歴史が面白かった。HTML 黎明期に行われた img 要素導入の提案に関するメーリングリストでの議論が引用されており、興味深い。

最後に、一番印象に残った箇所を引用しておく。

HTML は常にブラウザメーカーとページ作成者、標準化マニア、そしてたまたまそこへ居合わせてマークアップについて意見を言いたくなった人々の、話し合いから作られてきた。HTML の成功したバージョンはほとんど「レトロスペック」で、現実に追従すると同時に正しい方向へ導こうとする努力の賜物だ。HTML は「純粋」でなくてはいけないと主張する人々(おそらくブラウザメーカーかページ作成者、あるいはその両方を無視することになる)は、単純に間違っている。HTML は今まで一度も純粋であったためしはないし、純粋にしようという試みはすべてとんでもない失敗で、後続によって置き換えられるだけに終わっている。

P.S.

HTML の本にしては 5 章のビデオコーデックやエンコードの話がやたら長い。著者の趣味かな?


  1. Mark Pilgrim(2011)『入門 HTML5』矢倉眞隆監修,水原文訳,オライリー・ジャパンhttps://www.oreilly.co.jp/books/9784873114828/

鏡の中のカード

今回は氣賀康夫氏の『ステップアップ・カードマジック』1 に収録されている『鏡の中カード』というマジックについて。

現象

二組のカードを用いる。裏が青と赤と二組を使うのがいいだろう。一つを術者が、もう一方を観客が保持する。二人は鏡のように同じ動作を何度か繰り返す。最後に二人が選んだカードが一致するので、それだけでも不思議であるが、さらに残りのカードのトップ(一番上)とボトム(一番下)とが一致するのでさらに驚く。
(本書より引用)

本作はデック 2 組を使った『Do as I Do』のバリエーションである。『Do as I Do』は初心者が習うトリックの定番だが非常に強力。自分はデック 2 組を使うことがほとんど無いためあまり演じないが、機会があれば是非演じたい大好きなトリックだ。

『Do as I Do』では、演者と観客それぞれがデックをカットした後、お互いのデックを交換する必要がある。しかし、デック交換の理由付けが難しく、どうしても不自然になってしまう。『鏡の中カード』を取り上げたのは、このデック交換の不自然さをうまく隠蔽しているからだ。

本作では、演者と観客の間に鏡があるという体でマジックを進める。これにより、観客は演者の動きをどのように真似れば良いのか分かりやすいし、演者も観客の動きを制御しやすい。さらに、観客が演者の動きを真似する中で、演者が「デックを交換する」と明言することなしに、いつの間にかデック交換を完了させてしまう。この鏡の演出が、本来不自然なデック交換を隠蔽していて素晴らしい。

しかし、お互いが選んだカードが一致するだけでなく、トップとボトムも一致する現象を入れたのは蛇足に思える。気になるのは、この現象を追加するための手法が強引気味な点だ。
本来、お互いが選んだカードが一致するだけで十分強力な現象なので、強引な手段を使ってまで、トップとボトムの一致という現象を追加するのは、トータルの効果としてプラスになっているか疑問。本作はデック交換をスマートにクリアしているので、そこに強引な手法を入れるのは合わないと感じる。強引で図々しい手法自体は大好きだが。


  1. 氣賀康夫(2005)『ステップアップ・カードマジック』東京堂出版

Pseudo Brainwave

今回は Benjamin Earl の『Pseudo Brainwave』について。この作品は DVD『Past Midnight』1 の 3 巻に収録されている。なお、この DVD については、スクリプト・マヌーヴァさんから日本語字幕付き DVDが出ている。

現象

観客にデックを渡して、覚えたカードをイメージしながらデックを広げてもらうと、観客のカードだけ中から表向きで出現する。
スクリプト・マヌーヴァさんのページから引用)

個人的に本作は Ben Earl 作品の中でも特に好きなのだが、あまり話題に上がらない気がするので紹介してみる。
現象は名作『Brainwave Deck』に似ているが、本作はレギュラーデック 1 組で即席で演技可能。また、現象を起こす際、演者がスプレッドするのでなく観客自身にスプレッドさせることができる。

以下、3 つの点から本作の良さを見てみる。

思い浮かべたカードへの変換

最初に演者は、ピークコントロールの要領で 1 枚のカードを観客に見せる。その後、演者はデックを観客に渡し、しばらくカードの操作を指示する。この過程で、演者は観客が「見た」カードを「思い浮かべた」カードに変換していく。
観客はカードを「引く」のではなく、一瞬「見る」だけなので、カードを「引いた/選んだ」という印象が弱まる。これにより、後に思い浮かべたカードに変換しやすい。また、最初に観客がカードを見てから現象が起きるまでの間にカードの操作を挟むことでタイムミスディレクションが働き、より変換しやすくなると考えられる。この辺りの変換技術は Dani DaOrtiz の DVD『Utopia』2 等が参考になる。

演者がカードに触っていないという錯覚

本作では、最初に演者がカードに触るが、これは観客の操作のデモンストレーションの体である。しかも、その後の観客の操作が長いため、最初に演者がカードに触っていたという印象を弱める、あるいは忘れさせることができる。
観客からすれば、ずっと自分が持っていたデックを広げると、突然、自分が思い浮かべたカードが表向きに出現するわけで、これは強烈。

レッド・ヘリング

本作では、演者がカードの表を見せるように指示するなど、本来は不要な指示が含まれる。これがレッド・ヘリング(偽の手掛かり)となり、最初に終わっている仕事に気づかれにくい。
演者がカードを当てていくときも、簡単に言い当てるのでなく、少しずつカードを絞っていき、完全には言い当てない。これにより、演者がどこまで状況をコントロールしているのかが追われにくい。

なお、レッド・ヘリングと言えば、そのものずばり『Red Herring』という作品を Earl は発表している。この作品は電子書籍 3 とビデオ 4 で発売されているが、彼のメーリングリストに登録することで、電子書籍版を無料で貰える。この作品もレッド・ヘリングを組み込んでおり、冗長な感もあるが、不思議で応用も効くカードロケーションでお勧め。

おまけ

『Pseudo Brainwave』では観客にデックを手渡すので、事故が起きることが不安になるかも知れない。そこで、カードを 1 枚ボトムに送ってから観客に手渡すことで事故の確率を下げられる。実際には意外と大丈夫なのだが。


  1. Benjamin Earl. Past Midnight. (DVD).

  2. Dani DaOrtiz. Utopia. (DVD).

  3. Benjamin Earl. Red Herring. https://www.benjaminearl.com/product-page/red-herring. (E-book).

  4. Benjamin Earl. Red Herring. https://www.vanishingincmagic.com/magic-downloads/card-magic-downloads/red-herring/. (Video).

The Challenge

マジックの本やビデオをレビューするのは少し重いので、トリック単体を紹介する記事を不定期で書いていこうと思う。

今回はDai Vernonの『The Challenge』。この作品はLewis Gansonの『The Dai Vernon Book of Magic』1に収録されている。

現象

演者は2枚のカードを観客に見せる。観客はその内の1枚を心の中で決めるが、演者はそれを当ててしまう。当たる確率は1/2なので観客はまぐれだと思うが、これが何度か繰り返される。しかもこの間、演者は観客に一切質問しない。そして最後に意外な結末で演技を終える。

解説の中で特に面白かった箇所を要約して引用する。

普段カードマジックに熱心ではない人々でさえ、このトリックを高く評価する。恐らくそれは、カード(トランプ)が、たまたまそこにあったからという理由だけで使われており、他の物を使っても良かったように思えるからだ。

つまりこの作品は、「カードマジック」という枠組みを観客に意識させない効果がある。

演者が「これからカード(を使った)マジックをします」と観客に明示的、あるいは暗黙的に示してからマジックを始めると、観客は「(カード)マジック」や「マジシャン」といった既知の概念を念頭に置いた状態でマジックを見ることになる。これが必ずしも悪いこととは思わないが、個人的には、観客にこういった先入観を持たせずにマジックを見せたいと思っている。この点において、本作のアプローチは面白い。

また本作は、カードマジック的な手法の面でも面白い。手法自体はよくあるものだが、このような現象に昇華させている点は独創的。

1/2のカード当てという地味な現象ながら、繰り返しで効果を強め、最後にはクライマックスの現象もある。この一連の現象が手法とうまく結び付いており、傑作だと思う。


  1. Lewis Ganson. The Dai Vernon Book of Magic. 1956.

サスペリア

今回はルカ・グァダニーノ版『サスペリア』について。いつも通り、ネタバレは気にせず書いています。
(Luca Guadagnino. Suspiria. United States and Italy: 2018.)

あらすじ

1977年、ベルリンを拠点とする世界的に有名な舞踊団<マルコス・ダンス・カンパニー>に入団するため、スージー・バニヨンは夢と希望を胸にアメリカからやってきた。初のオーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大事な演目のセンターに抜擢される。そんな中、マダム・ブラン直々のレッスンを続ける彼女のまわりで不可解な出来事が頻発、ダンサーが次々と失踪を遂げる。一方、心理療法クレンペラー博士は、患者であった若きダンサーの行方を捜すうち、舞踊団の闇に近づいていく。やがて、舞踊団に隠された恐ろしい秘密が明らかになり、スージーの身にも危険が及んでいた――。(公式サイトより引用)

最初に書いてしまうと、自分はこの作品がとても好き。
予告編を観た段階で、彩度を抑えた色彩(サスペリアなのに!)・Jホラー的なイメージ・紐ダンス・フック等の要素から、既に好きな作品だと感じていたが、実際に観てもやはり面白かった。

『別冊映画秘宝 サスペリア マガジン』1の中で高橋ヨシキ氏は、「全てがあって、何もない映画」として、次のように批評している。

ここには文字通り「ありとあらゆる要素が詰まって」いる。母性や女性性にまつわるあれこれ。ホロコーストの記憶。冷戦時代。モダン・ダンス。「ドイツの秋」とバーダー・マインホフ。「ファスビンダー」。「ズラウスキー」。「(歴史の)目撃者である」こと。

サスペリア』はおそろしくコンセプチュアルな作品だが、「コンセプチュアルであること」それ自体に耽溺しているように見える。つまり端的に言って快楽主義的ではない。どこまでも快楽原則に忠実だったアルジェント版とは真逆である。

要は、本作はあらゆる要素を意味ありげに詰め込んではいるが、本質的にはそこには何も無い(語られていない)ということだろう。この評は否定的な立場だが、自分が本作を観たときの感覚に近い。自分は逆に、「全てがあって、何もない」ことが面白いと感じた。なんとか博士の逸話とか、救済とかはわりとどうでも良かったが、『民族』の紐ダンスに代表される、予告編で気になっていた要素の魅力は遺憾なく発揮されていたし、最後に地獄絵図はあるし、Sara役のMia Gothは魅力的だし、素直に楽しめた。

中盤、ショッキングなイメージが断片的にインサートされる演出は、ベタではあるが好き。自分は『呪怨(ビデオ版)』の浴室のシーンを思い出したが、この手の演出のオリジナルは何だろう?
余談だが、断片的なインサートと言えば、アルジェントの『インフェルノ』で、女性の首吊りが説明無しに唐突にインサートされる素晴らしいシーンがある。『インフェルノ』は説明無しで印象に残る演出が多く、とても面白い。ただ、序盤の演出は格好良いのだが、終盤はシュールギャグみたいになってしまっていて、個人的にはそこまで好きになれていない。勿論、そこが良い、という人がいるのも分かるが…。

とにかく、ルカ版『サスペリア』は、テーマやストーリーよりも、ビジュアル・音楽・(表面的な)要素の詰め込み感が楽しかった。そういう意味では、案外アルジェント版と似ているのかも知れない。


  1. 山崎圭司・岡本敦史編(2019)『別冊映画秘宝 サスペリア マガジン』洋泉社