念の為前置き
これは個人的な好みなので、これが正しいとかそういうものではない。
「マジックのスタイル」とは?
要は、「どういう体でマジックを演じるか?」ということ。
何が現象を起こすのか。魔法?ギミック?スライハンド?心理学?超能力?
そもそも演者はマジックというフィクションを演じているだけなのか?それともガチでそういう能力があるのか?
マジシャンによってこのスタイルは様々だが、今回は自分が理想とするマジックのスタイルについて書いてみる。
理想とするマジックのスタイル
基本コンセプトは、とにかく不思議で面白いことを起こす。これだけ。これがフィクションなのかガチなのかは観客の判断に委ねる。
では、現象の根拠は何か?これには2つの立場がある。
- 何も無い
- 全てあり得る
それぞれ説明しよう。
何も無い
これは文字通り、現象の根拠が何も無いというスタイル。どうやってこの現象が起きたのかは説明できないが、とにかくこうすると現象が起こる、起きてしまう、というスタイル。根拠が何かの判断は全て観客に委ねる。
全てあり得る
現象が起こった。
道具に仕掛けがあるのかも知れないし、指先のテクニックかも知れない。あるいは両方かも。他にも、心理学・科学・暗示・催眠・コールドリーディング・魔法・超能力・霊能力・悪魔の力、何でもあり得る。不思議で面白いことを起こすためにはどんな手段でも取る。
演者は意識的に現象を起こしているのかも知れないし、無意識にやっているだけかも知れない。
そもそもこれはマジックなのか?超能力?何でもあり得る。
どちらの根拠を提示すべきか?
現象の根拠に関して2つの立場を書いたが、どちらの立場を取るのが良いのだろうか?
結論は、状況に応じて、より効果が大きい方を選ぶ。
そして、対応は柔軟にできる。例えば前者の、根拠が「何も無い」立場を取った場合、どうやって現象を起こしたのか観客が問い詰めてくるかも知れない。ここで下手にシラを切り続けるのは、マジックの種を必死に隠しているように見え、ダサい感じがする。
この場合、後者の「全てあり得る」スタイルに切り替え、現象の根拠をマジックの一般論として説明する。こういったことも可能だろう。
本質的には、2つのスタイルは同じだと思っている。どちらも現象の根拠について具体的には何も説明していない。
Conclusion
世の中には理屈で説明できないことがあるのかも知れないし、無いのかも知れない。だから、今起きた現象は理屈で説明できるのかも知れないし、できないのかも知れない。いずれにせよ、この現象は不思議で面白い。それで良いのではないか?
というのが自分が理想とするスタイル。