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マジック(手品)商品のライセンスを作りました:Magic Lecture License

Magic Lecture License は、マジック(手品)を解説する書籍やレクチャービデオなどに付与するライセンスです。このライセンスは、レクチャーの購入者が、レクチャー内で解説されている手順や技法などに対して有する権利(演技権など)と購入者が負う義務(タネ明かししないことなど)を規定します。

Magic Lecture License v2.0.0 ライセンス本文

Magic Lecture License 公式サイト

現在、マジックの書籍やレクチャービデオなどで解説されている手順や技法などを、それらの購入者がどのように利用してよいかを定める規定は大きく 2 つのケースに分かれていると思います。1 つは何も明記されていないケースで、もう 1 つは演技権などが厳しく制約されているケースです。

前者のように明確な規定がない場合、レクチャーで解説されている手順や技法などをどのように利用する(手順を演じる、技法を発展させるなど)かは購入者の裁量に任されてしまいます。その結果、ある購入者がレクチャー内容を不特定多数に向けてタネ明かしするなどして、マジックの秘密が守られなくなってしまうリスクが考えられます。一方、他の購入者はレクチャー内容をどこまで自由に利用してよいのか分からず、レクチャー内容の利用を控えてしまうかもしれません。この場合、新たなアイデアや手順などが生まれる可能性が阻害されることになります。

後者のように制約の厳しい規定がある場合、購入者によるタネ明かしなどを防ぐ効果が期待できます。その一方でこのような規定の下では、購入者が自由にマジックの演技を作り上げたり、他のマジシャンと活発に知識をやりとりしたりすることを妨げてしまう可能性があります。(レクチャー内容の利用範囲については原案者/著作者の意向を優先するのが一般的な価値観だと思われるため、このような厳しい規定が存在すること自体は基本的には問題ないと考えています)

以上より、現在のマジックの書籍やレクチャービデオなどの販売形態には、「1. マジックの秘密を守ること」、「2. マジシャン間で活発に知識を伝達できるようにすること」、「3. マジシャンが自由にマジックを演じられるようにすること」という 3 つの命題をうまく両立できていないという課題があるといえます。

そこで、この課題を解決するために Magic Lecture License を作りました。これは、マジックの書籍などに付帯させ、レクチャー内容に対して購入者が有する権利と購入者が負う義務を明記した文書です。特徴として、タネ明かしなどを禁じてマジックの秘密を守りつつ、購入者がレクチャー手順を演じることや、レクチャー技法を新しい技法に発展させることなどは極力制限しないようにしている点があります。

Magic Lecture License の利用により、マジックの秘密を守りつつ、マジシャンがより自由に活動できるようになることを期待しています。