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【令和最新版】カードマジック傑作 52 選 レギュラーデック編【手品】

レギュラーデックのみを使って演じられるカードマジックの傑作を 52 個紹介します。選定基準は次のとおりです。

  • レギュラーデック(仕掛けのない普通のトランプ)のみを使い、余分なカードやギミックは使わない
  • 現象が複雑すぎない
  • 難しすぎない
  • 出典資料にアクセスしやすい(仮に出典資料が絶版だとしてもすでに広く出回っており、中古品を入手しやすいなど)
  • 属人性が高すぎない(Slydini は NG)
  • 筆者の好みに合っている(Oil and Water は NG)
  • 望ましい条件
    • レギュラーデック 1 組だけで演じられる
    • 準備不要
    • テーブル不要
    • 角度に強い

出現:Production

1. Directed Verdict: Spectator Cuts the Aces (John Bannon)

観客が 4 つに分けたパケットのトップから A が出てきます。

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セットアップが簡単で、演技中に観客の目の前でセットすることも可能です。手順も無理なく合理的で無駄がありません。3、4 人の観客がいれば、それぞれの観客にカットしてもらい、そのままカットしたパケットを持ってもらうことでテーブルがなくても演じられます。

また、この手順は単なる 4A の出現以外にもさまざまな演出に応用可能です。具体的には The Jerx の記事を参照してください。

ほぼ同じ手順ですが、『ジョン・バノン カードマジック Dear Mr.Fantasy』に収録されている Final Verdict というバリエーションもあります。お好みでどうぞ。

2. Cutting the Aces (Dai Vernon)

4 枚の A をデックの中に入れて混ぜてしまう。術者が「片腕の賭博師」の話をしながら、片手でデックをカットするたびに A が出現し、4 枚の A が揃う。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典』

カッティングジエーセス。現象、手法、構成、演出すべてが見事に噛み合った傑作です。

3. Clean Cutter 2 (Benjamin Earl)

演者はよく混ぜられたデックから 4 枚の A を順に取り出します。テーブルも使いません。

簡単なセットアップでテーブルを使わずに 4A を取り出す手順として優れています。

4. Famous Three Card Trick (David Williamson)

「有名な 3 カードトリック」。3 枚のカードを使うと言い、3 枚のカードを抜き出してもらいますが、数えると 4 枚。1 枚捨てて数えるとやはり 4 枚。何度調整しても 3 枚になりません。

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有名な 3 カードトリック。繰り返しの面白さがありますが、いわゆる被害者演技が少し難しいかも知れません。しかしこのマジックには強烈なオチが付くので大ウケ間違いなしです。

消失:Vanish

5. Vanished Without a Trace! (Juan Tamariz)

1 枚のカードが観客の選んだカードに変化する。演者は、好みのカードにもう一度変えてみると言ってカードの名前を尋ねるが、観客が躊躇しているうちにそのカードは忽然と消えてしまい、不意をつかれた観客はただ呆然とするだけ。

ロベルト・ジョビー著、加藤友康訳『ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ 2』

シンプルで効果的です。短いマジックなのでルーティンの中のお好きな箇所に取り入れたりもしやすいでしょう。

6. Ghost (David Stone)

観客がカードを選び、デックに戻します。演者がおまじないをかけて 1 番上に観客のカードを上げようとしますが別のカードです。もう一度おまじないをかけるとそのカードが観客のカードに変化します。観客のカードを再度デックに入れておまじないをかけると、今度は観客のカードと同じ数字のカード 4 枚を除いてすべてのカードが消えてしまいます。

観客のカード以外が消えるデックバニッシュはよくありますが、基本的にエンドクリーンではないという弱点があります。本手順は簡単なセットアップが必要な代わりにエンドクリーンになり、バランスのよい手順になっています。デックを消す際のミスディレクションも簡単ながら強烈でその点でも演じやすいでしょう。

移動:Transposition

7. Ambitious Card

観客のサインの入ったカードが、どこに入れても一番上に上がってくる

アンビシャス・カード – スクリプト・マヌーヴァ

アンビシャスカード。これはもう鉄板でしょう。そして現代アンビシャスカードの基礎は Daryl の手順だと思います。他の手順に挑戦してみたい場合は、Unreal Card Magic に収録されている Earl の手順 Unreal A.C.R. を見てみるのもよいかも知れません。

8. Homing Card Plus (Francis Carlyle, Jimmy Grippo, Roberto Giobbi)

観客にサインしてもらった 1 枚のカードが、まるで魔法のようにデックの中から消えて、空っぽだったはずの演者のポケットに移動してしまう。その現象が 2 度にもわたって実現する。手順の最後には、観客のサインしたカードだけが手に残り、他のすべてのカードが演者のポケットに移ってしまう!

ロベルト・ジョビー著、加藤友康訳『ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ 2』

ホーミングカード(カードトゥポケット)。これも鉄板です。観客の注意をコントロールする手順構成が巧みで、とある技法の練習にもうってつけの手順です。原案のホーミングカードも素晴らしいのですが、単に 2 回カードがポケットに移動するだけでオチがやや弱いです。その点、この改案は強烈なオチがついたことでより傑作になっています。

9. Biddle Pop-Over: Biddle Trick (Elmer Biddle)

観客が選んだカードが消失し、裏向きのデックの真ん中から表向きに現れる。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典』

いわゆるビドルトリック。いい手順です。

10. Dr. Daley's Last Trick (Dr. Jacob Daley)

4 枚の A のうち、2 枚の黒い A はテーブル上に伏せておき、2 枚の赤い A は手に持つ。観客にどちらが♠A かを訊ね、テーブル上のカードを開けると、それは赤い A である。術者の手に持っている 2 枚のカードを見ると黒い A になっている。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典』

ラストトリック。本当に 4 枚の A だけを使い観客の手の中などで 2 枚のカードが一気に変化するという強烈な現象です。個人的にこのマジックの肝は、観客がスペードとクラブ(またはハートとダイヤ)の交換現象を予想したところで、黒(スペードとクラブ)と赤(ハートとダイヤ)の交換現象が起きて観客の予想を上回る点だと思います。その意味で、よくある「愛とお金」という演出はこのマジックの肝を表現できていないと思います。

また、原案のハンドリングはさすがに古臭く感じるので、もう少し現代的に改変して演じてもよいかも知れません。

11. Misglass: Card Under the Glass (David Stone)

観客の選んだカードがいつの間にかグラスの下に置かれています。

カードアンダーザグラス。いつの間にか系の演技は基本的にウケます。本手順はシンプルかつミスディレクションも強烈なので演じやすいでしょう。グラスの代わりにカードケースを使えばレギュラーデック 1 組のみで演じることもできます。

12. Subway (Dan and Dave)

観客の選んだカードが 2 つの離れたパケット間をビジュアルに移動します。

Dan and Dave の手順の中ではかなり簡単な部類だと思います。とある古い原理を上手く使って無理なくビジュアルな現象を達成しています。

13. Search and Destroy (Aaron Fisher)

演者は 1 人の観客を選んでマジシャンになってもらい、即席で、マジシャンと同じ奇跡を起こしてみようと説明します。

2 人目の観客にカードを 1 枚選んでもらいますが、マジシャン役の観客には見せないようにして、覚えてもらったカードをデックの中ほどに戻してもらいます。マジシャン役の観客には、正しいカードを見付けるために、違うと思うカードを捨てていくことを説明します。演者は、マジシャン役の観客のお手伝いをすると言って、1 枚の Q を表向きでデックのトップあたりに入れ、もう 1 枚をデックのボトムの方に入れます。2 枚の Q の間には 40 枚程度のカードがあります。

観客に 1 回デックをカットしてもらい、デックをテーブルの上でリボン状に広げます。そうすると、2 枚の Q はデックの中ほどに移動し、間に挟まれているカードは 10 枚くらいになっています。ここでカードを省いていきますが、トップの方にある Q よりも上にあるカードと、ボトムの方にある Q よりも下にあるカードを取り除きます。残りのカードでもう一度カットをしてもらいます。そして再び広げると、2 枚の Q の間のカードは 1 枚になっています。これが 2 人目の観客が選んだカードです。

アロン・フィッシャー著、小林洋介訳『アロン・フィッシャー カードマジック』

観客は 2 枚の Q が観客のカードを探しに行くところを実際には目撃しません。しかしその様子が容易に想像できるため、心理的にビジュアルな現象だと思います。演者がほとんどカードに触れない点も不思議さを助長します。

14. Angle-Z (Daniel Madison)

観客が選んだカードのコーナーを演者が破きますが、次の瞬間には破ったコーナーの破片が消えてしまいます。消えた破片はあり得ない場所から出現します。

非常に強烈な不可能現象ですが、極めて手軽に演じられるのが特徴です。まだ新しいマジックですが 21 世紀のクラシックといえるでしょう。破片をどこから出現させるかを考えるのが楽しいマジックですが、ヒンバーワレットチェンジングパースなどから出現させるのが無難かも知れません。

変形:Transformation

15. Card Opener (James Brown)

観客が 1 枚のカードを見て覚えます。演者は 1 枚のカードを取り出しますが、観客のカードではありません。しかし次の瞬間にはそのカードが観客のカードに変化してしまいます。その後、テンポよくさまざまな現象が起きます。最後には観客のカードを除いてデックがすべて消え、演者のポケットに移動してしまいます。

カードマジックにおいてウケる現象がこれでもかと詰まったマジックです。分かりやすい現象がスピーディーに起きるので、タイトルのとおりカードマジックルーティンのオープニングに演じるのに最適ですし、1 トリックだけ演じるときにも適しているでしょう。

しかし、この手順はミスディレクションに強く依存しているため、そこまで強固な手順ではありません。そこで、もう少し安定して演じられるように手順を改変してみるのもよいでしょう。

16. A Card in Hand (Theodore Annemann)

観客がカードを 1 枚選び、すぐにデックに戻してシャフルする。演者はそれとは別のカードを観客に手渡し、自分の選んだカードがありそうな場所に挿し込んでもらう。しかし選んだカードはその場所からは見つからず、デックに挿し込んだ別のカードがいつの間にか選んだカードに変化しているのだ。

ロベルト・ジョビー著、加藤友康訳『ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ 1』

基本的な現象ですが、観客がカードを持った時点でそのカードが選んだカードとは違う全然別のカードだということを観客が確信していたとしたら、紛れもない奇跡です。

バリエーションとして Earl の In Your Hand もお勧めです。こちらは Unreal Card MagicThe Family で解説されています。

17. Shades of Hofzinser (Benjamin Earl)

観客が自由にカードを選んで覚えます。カードが戻され、演者がデックをシャッフルする中で 4 枚の A が出現します。演者は観客のカードのマークを当て、そのマークの A を手に取ります。次の瞬間にはその A が観客の選んだカードに変化してしまいます。

いわゆるホフジンザープロブレム。徹底的に無駄が削ぎ落とされており、技法のタイミングも完璧です。このプロットの最高傑作の 1 つでしょう。

18. Memory Test (David Williamson)

記憶のテストと言い、赤の黒の A を入れ替えながら位置を尋ねます。その 2 枚が知らない間に 2 枚のジョーカーになっています。

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いわゆる 2 カードモンテ。ラストトリックをより発展させたようなマジックでもあります。演者の負担はそれなりにありますが実践可能範囲内ですし、何より演出と手順構成が見事です。

19. ワイルド・ワイフ(ゆうきとも)

最初に術者がデックから 1 枚のカードを抜き出して、カードケースの下に置きます。
観客に 1 枚のカードを選んでもらい、これをデックの中程に半分突き出した状態で入れておきます。
デックから 3 枚のカードを取り、1 枚目は観客のカードの色を、2 枚目はマークを、3 枚目は数字をそれぞれ現わすと言い、3 枚のカードを見せますが、それはすべて先程観客が選んだカードと同じカードです。
観客が選んだカードが 4 枚あることになるのですが、それらはすべてクイーンに変わってしまいます。
デックを確認しますが、どこにも観客のカードは見当たりません。
ここで、最初にケースの下に置いていたカードを見ると、何とそれが唯一の観客の選んだカードなのです。

Danbury Delusion 的な要素もあるマジックです。個人的にこの種のプロットでは Helder Guimarães の Helder Skelter(『レッド・ミラー』)が一番好きです。しかし、この DVD の手順には演技権に制限がかけられていた気がするため、今回の傑作選では選出しませんでした(後で確認しておきます)。とは言え、もちろんワイルド・ワイフも十分に素晴らしいです。Helder Skelter がややひねり過ぎと感じる方にもワイルド・ワイフのシンプルさはお勧めです。

20. Selected Time Travel (Benjamin Earl)

観客が自由に 1 枚のカードを選びますが、選んだ時点の状態をよく覚えておくよう演者に言われます。観客のカードが戻されデックがよく混ぜられます。演者が 1 枚のカードを取り出しますが観客のカードではありません。演者はそのカードを観客に渡し、観客に最初にカードを選んだ場面を思い出してもらいます。カードを選んだ場面を再現すると、先ほどから観客が持っていたカードが観客の選んだカードに変わっています。

デジャヴ的な印象もある面白い現象です。非常にシンプルにまとまっていてよいです。このマジックは Earl の『Unreal Card Magic』と The Family で解説されていますが、The Family の方では観客がカードを引く場面で、ある怪しげな手法が使われています。気になる方はそちらを確認してみてください。

21. Matching the Cards (Dai Vernon)

観客に 1 枚のカードを選んでもらう。術者は選ばれたカードを当てるために 3 枚のカードを示すが、全て 8 のカードである。「あなたのカードと同じ数のカードを示した」と言って、観客のカードを表向きにすると、それは 8 ではなく、K である。3 枚のカードをもう一度見ると、全て K に変化していて観客のカードと一致している。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典』

名作。Harry Lorayne の Magician vs. Gambler(高木重朗『奇術入門シリーズ カードマジック』)もよく似た現象ですが、パター(お話)との結び付きが強すぎるきらいがあります。Matching the Cards はパターなしでも成立しますし、好みに応じてパターを付けることも可能だと思うのでこちらを選出しました。

このマジックにはセットアップがやや面倒という欠点があります。Earl の Stem Cell Magician vs. Gambler(『Less Is More』)などを参考にするとセットアップ簡略化のヒントになるかも知れません。また、原案はハンドリングがやや古臭い気もするのでもう少し現代的に改変してもよいかも知れません。

22. The One (David Williamson, Dani DaOrtiz)

4 枚の観客にカードを選んでもらい、デックに戻します。1 人目のカードを取り出して 4 つに破ります。破れたカードが 2 人目のカードに変わります。破片を 3 人目の観客に握ってもらうと、手の中で復元し 3 人目のカードに変わります。最後にそれが 4 人目のカードに変わります。

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原案は David Williamson の Torn & Restored Card。原案の現象を少し変えレギュラーデック 1 組で演じられるようにした手順です。原案の強固な手順構成に DaOrtiz の心理操作テクニックが加わり超一級品のマジックに仕上がっています。演者の負担も大きいですが実演不可能なレベルではないと判断したため選出しています。

23. HALFUSION (JONIO)

1 人の観客がカードの表にサインし、別の観客が別のカードの裏にサインします。それぞれのサインカードで不思議な現象が何度か起きた後、最後には 2 枚のサインカードが 1 枚になってしまいます(両面にサインされた 1 枚のカードになる)。

アニバーサリーワルツ。ギャフカードを使わずレギュラーデックだけでこの現象を演じられる手順は貴重だと思います。しかし、解説どおりに演じるのはかなり難しいと思うので、自身のレベルに応じて手順を改変する程度のスキルは必要でしょう。

24. Chicago Opener: Red Hot Mama, Chicago Style (Frank Garcia?, Al Leech?)

青裏のデックの中から観客が自由に選んだカードが赤裏に変わる。もう 1 枚のカードが観客によって選ばれ、もう一度裏模様を赤色に変えようとするが、変わらない。
最初に赤裏になったカードを見ると、二番目に選ばれたカードになっている。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典 新装版』

シカゴオープナー。言わずと知れた傑作です。テーブルがない場合は、演者の胸ポケットに赤いカードを突き出すように差し込んでおくとよいでしょう。

このマジックのタイトルや考案者に関する情報が錯綜していますが、こちらのコラムを読むと情報が少し整理されます。

復活:Restoration

25. Torn: Torn and Restore (Daniel Garcia)

サインカードを 4 つに破きますが、破かれたカードの破片が 1 つずつ繋がっていき、最後は完全に復活します。もちろんサインもそのままです。

トーンアンドレストア。このプロットは角度制限が厳しく、近くで凝視されるのも厳しいなどリアルワールドで演じるには難しいマジックです。その中でもこの Torn は比較的演じやすい方だと思います。難しいことに変わりはないものの、適切な環境下であれば実演可能だと思います。

同調:Sympathetic

26. Do as I Do

演者と客が 1 組ずつデックを持ち,よくシャフルし,交換して 1 枚ずつカードを選ぶ.各々のカードを取り出すと不思議にも一致している.

ドゥアズアイドゥ。本質的には非常に単純なカード当てなのですが、2 組のデックを使い観客が演者を真似るというゲーム的な演出が煙幕となり仕掛けに気づかれにくくなっていると思います。

しかし Do as I Do を演じるにはデックが 2 組必要という難点があります。この難点を克服したのが長谷和幸氏の「セレンディピティ」という手順です。こちらは『独参湯 メンタル・クリエイションズ』内で解説されています。こちらはよい手順ですが、デック 1 組ゆえの制約も感じられる仕上がりになっている点も否めません。そこで Do as I Do をデック 1 組で演じる弱みを強みに変えた手順がこちらです。ぜひご覧ください。

制御:Control

27. Uprising: Rising Card (Ken Krenzel, Richard Sanders)

観客がカードを選びデックが混ぜられます。その後、デックの中ほどから 1 枚のカードがせり上がってきます。これが観客のカードです。

ライジングカード。レギュラーデックで演じられるライジングカードとしてはこの手法が一番よいと思います。タネは単純ですが知らなければ意外と不思議です。

同認:Identification

28. Triumph (Dai Vernon)

デックの中から 1 枚のカードを観客に選んでもらい、覚えたらデックの中に戻してもらう。デックの半分を表向き、残りの半分は裏向きのままでリフル・シャフルし、表裏を混ぜてしまう。表裏良く混ざっていることを確認した後、デックをテーブル上にスプレッドすると、デックは全て裏向きに揃っており、デックの中ほどに観客のカード 1 枚のみが、表向きになっている。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典』

トライアンフ。コメント不要の大傑作です。この Vernon の原案の時点で完璧です。

29. Slop Triumph (Sid Lorraine?)

手の中で演じるトライアンフ

スロップトライアンフ。マニアには軽視されがちかも知れませんが、スロップシャッフルは技法の気配が限りなく薄いので上手く演じれば強力だと思います。

スロップトライアンフをより効果的に演じる改案として、Benjamin Earl の Truth Be Told(The Family)も非常にお勧めです。

30. Open Triumph (Dani DaOrtiz)

デックを裏表バラバラに混ぜます。デックを広げて持ち、確かに混ざっていることを見せます。裏表入り乱れた状態がはっきりと見て取れます。そのデックを一瞬閉じて再び広げると、デックの向きが揃い、観客のカードだけがひっくり返っています。

ムービー > 海外ムービー > オープン・トライアンフ 【マーフィーズ社・ダウンロード動画】:マジックショップのフレンチドロップ。手品 用品(グッズ)の通販

Vernon の原案以来、トライアンフの最高傑作の 1 つだと思います。表と裏が混ざった状態を示してから怪しい動きなしで一瞬でカードの向きが揃います。表と裏が混ざっていることを示すだけでなくデック全体もラフに扱うことでカオス感がより強調される点も素晴らしいです。やや難しいですが挑戦する価値は大いにあります。

31. Double Exposure (Asi Wind)

表裏の混ざったファンを観客のカメラで撮影しますが、 写真の中では観客のカードだけが表を向いています。 カードはレギュラーのみを使い、スマートフォン(やカメラ)は観客のもので演じられます。

スリー・カードルーティンズ – スクリプト・マヌーヴァ

こちらも新たなクラシックといえるでしょう。基本的にスマホのような電子機器を使ったマジックで不思議さを担保するのは難しいと思います。スマホなどを使うとスマホが何でもできてしまうように思えるので、よほど工夫しないと不思議さが大きく減じてしまうと思います。しかしこのマジックはそのようなことを感じさせず、(スマホ)カメラを使うことで不思議さや面白さが強化されています。

32. ACAAN (Dani DaOrtiz)

1 人目の観客が数字を思い浮かべます。2 人目の観客がカードを 1 枚選んで覚え、そのカードがデックの中に戻されます。1 人目の観客が思い浮かべた数字の枚数目のカードを見るとそれが 2 人目の選んだカードです。

Any Card At Any Number(エニーカードアットエニーナンバー)。このマジックは傑作ですが、1 つ気になる点があります。それは、観客が数字を言った後に演者がデックを触っている点です。そこでこの点を解消し、カードと数字が明らかになる直前から最後まで演者がデックに触れない ACAAN がこちらです。ぜひご覧ください。

33. A.A.C.A.A.N. (Asi Wind)

任意のカードを任意の枚数目から出現させる

スリー・カードルーティンズ – スクリプト・マヌーヴァ

ACAAN。実践する上でもっとも理想的な ACAAN の 1 つでしょう。ほぼ完璧です。

34. Chaos in Order (Dani DaOrtiz)

1 枚選んでもらったカードを、ヒントをもらいながら当てていきます。そして最後は衝撃のクライマックス。非常によく考えられています。

ファット・ブラザーズ 第1巻 – スクリプト・マヌーヴァ

非常に客受けのよいマジックです。レギュラーデックをシャッフルされた状態から始めて、特定のマークのカード13 枚が順に並んで揃うエンディングまで自然に辿り着ける構成が素晴らしいです。ミスディレクションもよく効いています。

読心術:Thought Reading

35. Out of Sight-Out of Mind (Dai Vernon)

観客の心に思ったカードを当てる。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典』

アウトオブサイトアウトオブマインド(OOSOOM)。カード当て、マインドリーディングの最高傑作の 1 つです。観客がカードを引いたりせず、心に思っただけ(実際には見ただけ)のカードを演者が当ててしまうのだから驚きです。しかしこの原案にもいくつかの欠点があります。それらの欠点を改善した手順がこちらです。ぜひご覧ください。

36. Emotional Reaction (Dai Vernon)

感情の反応から観客が選んだカードを当てる。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典』

エモーショナルリアクション。原理は基本的ながら、非常に巧妙な心理操作が憎いです。

37. Mental Voyage (Benjamin Earl)

観客はデックを広げて適当な 1 枚を覚える。演者はカードを当てるだけでなく、何のカードと迷ったのかも当てる。

パスト・ミッドナイト 第3巻 – スクリプト・マヌーヴァ

非常に不可能性の高いカード当てです。また、迷ったカードも当てる部分は挑戦的で面白いです。ちなみに似たマジックに Richard Osterlind の「チャレンジ・マインド・リーディング」(『マインド・ミステリーズ 第 2 巻』)という手順があります。こちらも参考になるでしょう。

38. Cheers, Mr. Galasso! (Ron Wohl (Ravelli))

デックをしっかりとシャッフルして観客の 1 人に手渡し、その彼女が自分の手の中でカットし、その場所のカードを取り上げます。さらに 2 人の観客もカードを取ります。デックを受け取ることもなく、マジシャンはそれらのカードを 1 枚ずつ当てていくのです。3 枚のカードはすべて、デックがマジシャンの手の中にはない状態で選ばれ、デックも 52 枚からなるごく普通のものであることは強調しておきます。さあ、じっくり考えてみてください。

Roberto Giobbi 著、富山達也訳『Card College Lightest』

この手の現象にありがちな原理を使っていない点が素晴らしく、少し知識のある観客も煙に巻けるでしょう。徐々に難易度を上げていく構成と手法が巧妙に噛み合った傑作です。

思考の伝達:Thought Transmission

39. A Jedi Mind Trick (Benjamin Earl)

演者が 1 枚のカードをポケットに入れます。スター・ウォーズにおけるジェダイのマインドトリックのように、演者が観客にカードのイメージをテレパシーで伝えます。観客が 1 枚のカードの名前を言います。演者がポケットからカードを取り出すと観客の言ったカードと一致します。

Derren Brown も似たような、そしてより強烈なマジックをやっています(『The Devil's Picturebook』)。ただ、再現性やアウトなどを考えると Earl のこのマジックの方がバランスがよいと思います。

予言:Prediction

40. One in the Side Pocket: Prefiguration (Larry Jennings, Ramón Riobóo)

ここまでに既に幾つかのトリックを演じて、デックが十分に混ざっている事が誰しもに自明でない限り、取り敢えず相手にデックを渡して混ぜてもらおう。
今から予言をひとつしておこう、と言って演者はカードを広げていく。カードを 1 枚取り出し、居合わせた紳士に渡して、表を見ないまま彼の服のポケットに入れてもらう。
次に裏向きでカードをテーブル上に広げ、二人目の紳士に 1 枚カードを選んで渡してもらう。誰にも表を見せないまま、演者はこれを自分のポケットにしまう。
カードを揃えたら、表向きで持って 1 枚ずつ配っていく。三人目の婦人に、いつでも好きな所でストップを掛けてくれるよう頼む。
彼女がストップと言ったら、そこで配るのをやめて、手元のカードと配ったカードとをそれぞれ裏向きにしてテーブル上に並べる。
重要なのは、と相手に念を押す。もしも違ったタイミングでストップと言われていたら、2 つの山は今と違った状態になっていたという事だ。その後、どちらの山からカードを選ぶかを尋ねる。
選んだ山の一番上のカードを彼女が表向きにしたところ、それは 6 だった。彼女にもう一方の山を持ってもらい、(出てきたカードの数値と同じだけ)1 枚ずつ 6 枚のカードを配ってもらう。そうしてできた新しい山の、一番上のカードを表にしてもらう。これがマーク違いの 6 だ。
そういえば、と演者は言う。私のポケットにもカードが 1 枚入っている。それは裏向きに広げたカードの中から、二人目の観客が自由に選んだものだったが――。ポケットからカードを取り出し、表にすると、3 枚目の 6 が現れる。
一人目の紳士もポケットからカードを取り出す。一番初めからそこにあって、まだ誰も表を見ていないカード。そんな、いやしかしまさか。それが 4 枚目、最後の 6 だ!

Ramón Riobóo 著、岡田浩之訳『Thinking the Impossible』

Jennings のプレフィギュレーションの改案です。プレフィギュレーションは事前の準備不要で観客がフォーオブアカインド(4 枚の同じ数字のカード)を見つける素晴らしいセルフワーキングトリックです。本手順はその改案ですが、少しのセットや技法を使うことで格段に不思議なマジックに仕上がっています。

個人的には Earl の Four Card Impossible もお勧めです。こちらは Earl の The Family『F for Fiction』 で解説されています。プレフィギュレーションの原理はほぼ残っていないのですが、数理トリック的な面がなくなっているのが好みです。

41. The Trick That Cannot Be Explained (Dai Vernon)

演者は予言を書いた紙をテーブルに置きます。そして観客がデックから自由に 1 枚のカードを選びます。予言を確認すると観客のカードの名前が記されています。

説明できないトリック(TTTCBE)。このマジック単体というより、このマジックの考え方がマジック(特にカードマジック)において非常に有用です。習得しておくと、他のマジックで失敗したときのアウトとしても使えて便利です。原案はスペリングを多用するのですが、スペリングに依存しない TTTCBE として Max Maven の Scrutability(『Kayfabe』)もお勧めです。

超感覚的知覚:Extra Sensory Perception (ESP)

42. Out of This World (Paul Curry)

シャフルしたデックから観客がカードの表を見ずに、赤と思うカードと黒と思うカードを選り分けて二つのパケットを作る。観客が配り終わって各パケットを開けると、正しく赤と黒に分離している。

宮中桂煥『図解 カードマジック大事典』

アウトオブディスワールド(OOTW)。Vernon が「100 年に一度の傑作」と言ったとか言わないとか。単純ながら人間の認知の隙をついた天才的な原理です。原案はそれなりにコストの大きいセットアップが必要ですが、即席で演じられる手順として U.F. Grant?のバリエーションもお勧めです。こちらは Harry Lorayne『My Favorite Card Tricks』高木重朗『奇術入門シリーズ カードマジック』などで解説されています。

43. Wait Until Dark: Shuffle-Bored (Simon Aronson, John Bannon)

演者は観客にこう説明します。「信じられないかもしれませんが、たまに、トリックがうまくいかないことがあります」と。極めて困難な試みをしようとしているので、緊急事態のときにだけ使われる装置をここに……、ということで演者は名刺を脇に置きます。最初にこう言ってから、本来のトリックへと続けます。観客はデックを幾つかにカットし、そのうちの幾つかを表向きにひっくり返します。そして、彼女は山をシャッフルしますが、実際には演者の説明を受けて、表向きの山と裏向きの山を混ぜてしまいます。結果としては、表向きと裏向きのごちゃ混ぜになったデックになります。全てのシャッフルは観客の手によって行われます。演者はこのシャッフルやカットの最中、一切カードには触れませんでした。演者は、これから透視力、つまり見えないものを見るという能力ですが、それを試してみたいと宣言します。もう 1 人の観客にお願いして演者の後ろに立ってもらい、演者の両目を両手で塞いでもらいます。今、演者は本当に何も見えない状態です。
そうして、シャッフルされたデックを受け取ります。演者はそれを短時間スプレッドして閉じ、デックを取ってくださいと最初の観客にお願いします。演者はこう言います。「もし私の感じたものが正しければ、デックの中には裏向きのカードが 22 枚ある」と。観客は裏向きのカードを抜き出していきますが、演者の宣言通り、そこには 22 枚の裏向きのカードがあるのです。演者はその裏向きのカードを受け取ります。そして「このうち、12 枚のカードはきっと赤です」という“印象”を述べます。再び観客は演者が正しいことを確認します。演者は、観客に残った黒いカードをくれるように頼みます。演者はそのカードの上に手をかざして、「全てのカードはクラブです」と言います。これが最後の宣言なので、後ろの観客には目隠しを解いてもらいます。驚くべきことに、観客は演者の最後の宣言は誤りだったと告げるのです!そう、黒いカードは、全部がクラブではなかったのです。1 枚はスペードの 2 でした。演者は食い違いについて要約します。「ええと、見てみましょう。全てのカードはクラブです。……スペードの 2 を除いて。正しいですか?スペードの 2 について以外は」ここで演者は、演技の最中ずっと全体が見えていた名刺について注目させます。そう、これは確か“緊急事態”用でした。観客は、そこに何が書いてあるのか、声に出して読みます。「“ただし、スペードの 2 を除く”」

ジョン・バノン著、富山達也訳『ジョン・バノン カードマジック Dear Mr.Fantasy』

Shuffle-Bored。これは言わずと知れた傑作です。日本国内では Ali Bongo の「ごちゃまぜ予言」としての方が有名かも知れません。Bannon の Wait Until Dark は予言でなくその場でカードの構成を透視していくという演出です。Shuffle-Bored の手順でカードの構成をすべて予言すると、予言があまりにも正確すぎて個人的には予定調和感を強く感じてしまいます。そのため、Bannon の透視という演出の方が好みです。

Shuffle-Bored はたとえば The Jerx のこちらなど、さまざまな演出に応用できる点もよいです。

44. Colour Sense (Pit Hartling)

観客がデックをシャッフルします。それから観客がパケットを持ち、テーブルの下で表向きにします。演者はちょうど、見えていないパケットの真上あたりのテーブルの板面に手のひらで触れ、その“色”を感じるのです。演者はそれぞれのカードの色を、観客がカードをテーブル上に出して置くより前に言い当てていくのです。演者は絵札であるかどうかや、パケットが何枚あるか、さらにはスートや数まで感じることが出来てしまうのです。

Pit Hartling 著、富山達也訳『Card Fictions』

個人的に大好きなマジックです。実は直接的な手法なのですが、現象を見ている観客の頭にはまず浮かぶことのない手法でしょう。そして何より、この現象を準備なしで演じられるのが驚異的です。

45. The Trick Without Explanation (Dani DaOrtiz)

観客にわけてもらった 2 つのパケットのトップを次々と言い当てます。観客に混ぜてもらいますが、それでも次々と言い当てます。

ファット・ブラザーズ 第1巻 – スクリプト・マヌーヴァ

同じ現象を 3 つのパケットで演じるマジックは古くからあると思いますが、それを 2 つのパケットに減らし現象のテンポを上げて何度も繰り返すことにした点が天才的です。現象を繰り返す中で異なる原理を使うことで常に観客の思考の先を行く構成も見事です。本当に素晴らしいマジックです。

記憶術:Memorization

46. Memorizing deck classic (Dani DaOrtiz)

短時間でデックのカードを全て覚えたことを証明してみせる

ダニ・ダオルティス著、谷口和巌訳『C10』

DaOrtiz によるデック記憶術のデモンストレーション。レギュラーデックをシャッフルされた状態から始める記憶術としては最高のものの 1 つだと思います。中心となる原理は単純ですが、演技力を含めてさまざまなサトルティを加える余地があり、上手く演じれば大きなインパクトを与えられるでしょう。

47. Unforgettable (Pit Hartling)

オレンジ・ジュースが演者の記憶力に驚くべき影響を与えます。ほんのひと口飲んだだけで、彼は完全にシャッフルされた 52 枚のデック、その全ての配列をいとも簡単に記憶出来てしまうのです!彼だけの魔法の秘薬を飲んだなら、シャッフルしたあとも、たった 1 秒、デック全体をざっと見渡すだけで、各カードが何枚目にあるのかを正確に思い出すことだって出来てしまいます。最後に、コップを空にしたあとで、演者はこの秘薬によって引き起こされた特殊能力の実用的な使い方を提示します。それは即ち実践への応用!デックが全部、ブリッジ・ゲームの 4 人のプレイヤーに配られますが、演者は選ばれた手札を全部、1 枚ずつ正確な順序で言い当てていくことが出来るのです。さあ、盛大な拍手を!

Pit Hartling 著、富山達也訳『Card Fictions』

カードを使った記憶術ルーティンの中でも最高傑作の 1 つだと思います。セットは必要ですがそれに見合う現象です。現象が強烈すぎるゆえ、あまりガチに演じると気持ち悪い感じになりかねませんが、オレンジジュースを使った演出によってエンタメとして楽しみやすくなっています。もちろんオレンジジュースを使わずガチな記憶術のデモンストレーションとして演じてもよいでしょうし、ビールを飲んでネタに走るのも自由です。

48. Cardstalt (Morris Seidenstein (Moe))

観客にデックから同じバリューの 4 枚のカードを抜き出してもらいます。マジシャンは抜き出されたカードが何かは知りませんが、残りのデックを 1 度だけ素早くリフルし、そしてそこにない 4 枚のカードのバリューが何かを正確に言い当ててしまいます。

Roberto Giobbi 著、富山達也訳『Card College Lightest』

ある意味で失敗したり観客にタネがバレたりすることのないマジックだと思います。こういうの大好物です。このマジックは一人で練習するのが難しいので、Cardstalt Trainer という練習ツールを以前作りました。ぜひご利用ください。

『Card College Lightest』ではこれに続くマジックとして「Cardstalt Plus」というマジックも収録されていますが、こちらも大変よいマジックです。表面上の難易度と実際の難易度が乖離する感じになるのですが、そのハッタリ感も好みです。

ギャンブリング:Gambling

49. Gambling Demo (Jason England)

演者は観客にカードゲームにおけるイカサマのテクニックを披露すると言います。まず、観客が A 以外の 1 枚のカードを自由に指定します。たとえばハートの K とします。演者はハートの K を取り出し、このカードをコントロールするテクニックを披露します。この間に演者は密かにハート以外の K もコントロールしており、4 枚の K が揃います。次に演者は 4 枚の K を使ってポーカーのようなゲームで勝つイカサマを披露します。まず、ボトムディールというテクニックを使って 4 枚の K を演者の手札に配るイカサマを見せます。演者が自分の手札に強いカードを配ると怪しまれるので、観客に演者とグルになってもらい、今度は観客の手札に 4 枚の K を配り、利益を山分けしようとします。演者は約束どおり観客の手札に 4 枚の K を配りますが、実は演者自身の手札により強い 4 枚の A を配っており、演者が利益を独り占めして演技を終えます。

ギャンブリングデモンストレーション。観客の目の前でセットでき、難しすぎる技法は使わず、観客がポーカーなどのルールを知らなくても楽しめるなど、実践的に理想的なギャンブリングデモンストレーションだと思います。スライトとセルフワーキング的な原理が上手く噛み合っています。

50. Real Ace Cutting (Benjamin Earl)

シャッフルされたデックのおもて面をざっと見てエースの位置を“記憶”し、そこからシャッフルやカットを行って 4 枚のエースをカットして取り出す

リアル・エースカッティング – スクリプト・マヌーヴァ

Scarne Aces。言ってしまえばハッタリなのですが、個人的にはマジックのハッタリ感が好きなので、その意味でこのマジックは大好きです。このハッタリの考え方は他のマジックにも応用できるものだとも思います。

51. Sow by the Lug (Benjamin Earl)

演者は観客にカードゲームにおけるイカサマのやり方を教えると言って、シャッフル、カット、ディーリングなどを一緒に練習します。そして、観客が気づかない内に演者はイカサマによって 4 枚の K を集めてしまいます。しかし、実は自分でも気づかない内に観客自身もより強い 4 枚の A を集めており、イカサマに成功したことが分かります。

Chad Long の Shuffling Lessonの改案です。演技中、ずっと観客が持って操作していたデックで現象が起きるので不思議です。ほぼセルフワーキングですが観客が指示どおりにカードを操作しなければならないため、オーディエンスマネジメントのスキルはそれなりに要求されます。

レギュラーデック+α

52. The Card Printed on the Handkerchief: Tamariz Silk (Juan Tamariz)

緑にフチ取りされた白いシルクを示し、観客にそれを丸めて輪ゴムで留めてもらいます。マジシャンは振り子を取り出し、その先に丸めたシルクをくくりつけます。振り子は観客に持っていてもらいます。
カードを 1 枚自由に選んでもらいます。
観客がシルクを再び広げると、先ほど選ばれたカードが印刷されています。

ホアン・タマリッツ著、滝沢敦訳『ファイブ・ポインツ』

いわゆるタマリッツシルク。レギュラーデックだけでは演じられませんが、あまりに素晴らしい現象かつ、いわゆる「ギミック」には依存していないため選出しました。視線と体の動きを上手く使ったミスディレクションが絶品です。

クロースアップで類似の現象を演じる場合、Modern Z Wallet Pro 2.0Rainbow Card の組み合わせがお勧めです。

おわりに

あれが入ってない、これは入れるな、などの異論、反論は受け付けます。コメントやこちらの問い合わせフォームよりご連絡お願いします。ただし、Oil and Water は絶対に入れません。

参考