Blufflog

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好きな作品の基準

自分が、ある作品を「好き」だと思う基準を紹介する。なお、ここで言う作品は、映画・アニメ・文学・マジック・その他あらゆる表現を含む。

面白い作品が好き

結論から言うと、「主観的に自分が面白いと感じる」作品が好きだ。この主観的な「面白さ」の度合いがそのまま「好き」の度合い(評価)に比例する。

「面白い」とは

「面白い」とは、理屈抜きで、主観的かつ直感的に、自分が「面白い!」と感じること。
ちなみに、「楽しい」≠「面白い」である。なぜなら、「楽しい」よりも、「悲しい」・「怖い」と感じる作品なども「面白い」になり得るからだ。

面白さの理由

上で「理屈抜きで」と述べたが、勿論、面白いと感じるのには理由があるし、面白さの理由を探ることも重要だ。

1つの作品は数多くの要素から構成される。そして、作品を構成するあらゆる要素それぞれと、その組み合わせが作品の面白さを作り上げる。これらの要素は、表現のジャンル、そして作品毎に異なる。

例えば映画の典型的な要素は、テーマ・ストーリー・台詞・脚本構成・キャスティング・演技・演出・撮影・編集・音楽・ギャグ・引用・歴史・…、などがある。
重要なのは、これらの要素全てが面白さを作るということ。つまり、ストーリーや役者の演技など、特定の要素だけが作品の面白さを決めるわけではない。

主観的であること

個人はそれぞれ、異なる経験・思想・価値観を持つ。よって、どんな要素から構成される作品が琴線に触れる(面白いと感じる)かは個人に依存する。勿論、多くの人が面白いと感じる普遍的な魅力を持つ作品も存在する。しかし、本質的には、作品の面白さの度合いは人によって異なるはずだし、それで良いのだと思う。

ありがちな勘違い

以前の自分は非常に狭い視野で映画を観ていた。当時は映画の構成要素として、ストーリー・演技・音楽程度しか認識しておらず、理解も表層的なものだった。さらに、ストーリーこそが映画において最も重要だと思い込んでいたため、ストーリーが拙い、あるいはほとんど存在しない映画の面白さを理解できなかった。

当時、映画をつまらなく感じたのは、映画自体の出来が悪かったからではなく、自分の視野の狭さと偏見が原因だ。本来、映画はより多くの数え切れない程の要素から構成され、ストーリーが一番重要などという決まりも存在しない。

ここまでは映画を中心に述べてきたが、この話は表現一般に通ずる。例えば、マジックにおける現象至上主義は、映画におけるストーリー至上主義と同様、極めて一面的な見方だと言える。

Conclusion

自分は常に無知で、偏見の塊で、価値観が固定化しているという事実に自覚的になること。
偏見を捨て、視野を広げていきたい。

ジュラシック・ワールド/炎の王国

ジュラシック・ワールド/炎の王国』を観てきた。
(J. A. Bayona. “Jurassic World: Fallen Kingdom.” United States: 2018.)

前作『ジュラシック・ワールド』において、クレアはインドミナス・レックス誕生を主導し、オーウェンはインドミナス・レックスを脱走させた。つまり、主人公クレアとオーウェンは、ジュラシック・ワールドでの大惨事に対する責任がある。
しかし前作では、クレアとオーウェンはこの責任をどうするのか?という点はうやむやにしたまま、なんか良い感じに終わってしまった。1

そんな中での本作。
序盤、クレアとオーウェンが恐竜を救いに行く展開に。この時点では正直、このまま進んでいってなんやかんやあり、最終的に恐竜を救って良い話でしたー、っていうのは、偽善的で嫌だなー、と思っていた。
しかし本作は予想外の方向に話が進み、最終的には、序盤に抱いたものとは全く異なる印象を持った。

行動の必然性

まず本作で良かったのは、登場人物の行動に必然性があること。
例えばラスト。クレアとオーウェンは、恐竜を救うか、人類のために恐竜を犠牲にするか、という二択を迫られる。そこで彼女らは後者を選択する。これは勿論、前作での悲劇を踏まえた決断である。

その一方、メイシーは恐竜を解放してしまう。
中盤、メイシーがクローンであることを告げられるシーンは、劇的ではなく、比較的あっさりと描かれる。ここだけを見ると唐突すぎる気もするが、実際には伏線がある。
ここまでで、彼女の出自に疑問を持たせる描写はいくつもあった。まず、彼女は祖父ベンジャミンが大事に持っているアルバムが気になっているようだが、ベンジャミンは見せたくなさそうにしている。また、彼女の両親の姿が見えない。母親の話は出てくるが、父親の話が出てこない。
彼女は意識的にせよ無意識的にせよ、自らの出自に疑問を感じている。もしかしたら、自分が母親のクローンである可能性にも薄々気付いているかも知れない。自らの出自への疑問を抱きながら、彼女は広大な屋敷の中で暮らしている。この辺りは『ブレードランナー』のレイチェル的とも言える。
このようなバックグラウンドを持つからこそ、彼女が最後に下す決断には必然性がある。

人間とクローン

本作はクローンに関して様々なことを考えさせられる。
クローン人間に人権はあるのか?人間以外のクローンの場合はどうか?
この話はクローンに限らず、人工知能・人工生命一般についても言える。

本作では、恐竜を売り物にしようとする人間の醜さと、クローンである恐竜・メイシーの対比を通して、人間の方が本当に人間らしいと言えるだろうか?という疑問を生じさせる。この辺りも『ブレードランナー』を思い出させる。

etc.

  • 異種間の交流(人間と恐竜)や、人間世界に普通に恐竜がいる構図が個人的にめっちゃツボなので、本作はこの点だけでも満足
  • インドラプトルの死んだふり(寝たふり?)が可愛い。人工恐竜ならではの、良い意味で不自然に人間的すぎる表現が好き
  • 完全に恐竜が人間世界に解き放たれた世界(ジュラシック・ワールド!)での続編に期待。『ロスト・ワールド』のインフレバージョン?


  1. ちなみに彼らの責任は、新作の悪役イーライ・ミルズによって言及される。

カスタムドメインのGitHub PagesにHTTPSを適用する

5月1日から、GitHub PagesでカスタムドメインでもHTTPSが適用されるようになった 1
証明書はお馴染みLet's Encrypt。

自分の場合、カスタムドメインGitHub Pagesサイトを持っている。今回の機能追加で自分のサイトもHTTPSになるかなー、と思って待っていたがHTTPSにならなかったので、そのときの解決法を記しておく。
結論から言うと、次のページの通りにやればOK。

Custom domains on GitHub Pages gain support for HTTPS

GitHub Pagesをカスタムドメインで運用している場合、そのドメインの権威サーバで、CNAME・ALIAS・Aレコードのいずれかを使って、GitHub Pages側のIPアドレスに紐付けているはず。これからカスタムドメインを適用しようという人はこの辺を見て設定してください。

CNAME または ALIAS レコードを使っている場合

多分何もしなくてOK!そのままHTTPSが使えるはず。
万一ダメだったら、GitHub該当repositoryの Settings/GitHub Pages/Custom domain で、一旦カスタムドメインを削除しSave(フォームを空欄にしてSave)。その後、再度カスタムドメインを追加しSave。これで上手くいく気がする(多分この操作は不要。未検証)。

A レコードを使っている場合

自分の場合はこちら。HTTPS対応に伴い、GitHub PagesのIPアドレスが変わっていた模様。このページに書かれているように、Aレコードで以下のIPアドレスを指定する。

  • 185.199.108.153
  • 185.199.109.153
  • 185.199.110.153
  • 185.199.111.153

その後、GitHubの該当repositoryでCNAMEを再設定する。具体的には、該当repositoryの Settings/GitHub Pages/Custom domain で、一旦カスタムドメインを削除しSave(フォームを空欄にしてSave)。その後、再度カスタムドメインを追加しSave。自分の場合、この操作が必要なことに気付かず、なかなかHTTPSにならなかった。
公式が書いていた理由は以下の通り。

Add your custom domain to your GitHub Pages site. If you're updating the IP address of an existing A record, first remove and then re-add your custom domain to the repository you’re using to publish your Pages site to trigger the process of enabling HTTPS. For more information, see "Adding or removing a custom domain for your GitHub Pages site."

P.S.

  • HTTPS対応に伴い、CDNも導入したため高速化したとのこと。digったところ、Fastlyを使っているっぽい
  • ちなみにこの機能、正式リリース前から少しずつ対応していた模様? 2

The Square

ザ・スクエア 思いやりの聖域』を観た。
(Ruben Östlund, "The Square," Sweden, Germany, France, and Denmark, 2017)

一言で言うと、面白かったのと同時にムカついた。
エセ文化人が喜びそうな演出が多くムカついた。が、こういう反応も想定の内だろうと思うと尚更ムカつく。
(「エセ文化人が喜びそう」という文脈が映画内でも登場しており、メタ的に巧いのもムカつく)

Haneke作品に通ずる所があり、例えば『隠された記憶』に似ている。ただHaneke作品ほどは説教臭くないので、Haneke作品よりは好き。本作は説教というより風刺スタイル。
ちなみに本作の監督Ruben Östlundは、好きな監督としてHanekeの名を挙げている 1
でも、ブルジョワジー・インテリ・富裕層を扱った映画としては、Buñuelの『皆殺しの天使』や『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』の方が好き。

個人的にはムカついたけど、面白いのでオススメ。


ヘッドホン選び

背景

(自分にとって)良いヘッドホンが欲しい。
家用(自宅用)ヘッドホンと外用(外出用)イヤホンの2つが欲しい。
家用は音質重視でヘッドホン。外用は携帯性重視でイヤホンが良いと考えた。

最初の要求事項

  • 家用ヘッドホン

  • 外用イヤホン

    • 無線(Bluetooth
    • 低遅延(動画再生のため)
    • True wireless(持ち運ぶので小さい方が便利)

Bluetooth前提知識

Bluetoothにはいくつかのコーデックが存在する。
SBCが標準だが、低音質・高遅延。
AACAppleの規格で、SBCより高音質・低遅延。
Androidなどで使われるのがaptXで、これもSBCより高音質・低遅延。
aptX HD・LDACなど、ハイレゾ級音質のコーデックも存在する。
各コーデックの具体的なビットレート・遅延の値は各自ググってください。
とにかく、ヘッドホンの音質的にはaptX HD・LDAC辺りに対応していて欲しい。遅延的には最低でもAAC以上、できればAAC・aptX両対応していて欲しい。

問題発生

True wirelessの定番と言えば、AppleAirPods。しかしAirPodsは音漏れがあるようで、これは避けたい。また、BluetoothコーデックはSBC・AACしか対応しておらず、AAC非対応機との接続時、高遅延になってしまう。
他の候補としては、SonyのWF-1000X。ノイズキャンセリングも付いているし、評判の良い1000Xシリーズということで良さそう。しかし、こちらもSBC・AACしか対応しておらず微妙。しかも接続性に難ありとのレビュー多数。
そもそもTrue wirelessはバッテリーがあまり持たないので、そこも面倒。結局、True wirelessでバッテリー・コーデック等のバランスを保つのは現時点では難しいということなのだろう。

そうすると、現状はネックバンドタイプのBluetoothイヤホンが丁度良いのではないかという気になってきた。これだと、接続性・バッテリー・コーデック等の課題は回避できる。さらに、ノイズキャンセリングも欲しくなってきた。

心変わり

やっぱり、無線って便利だよね。
当初は、家ではそんなに動き回らないし、音質重視で有線!と考えていたけど、家でも無線は便利だと思い直した。例えば、PCにヘッドホンを接続して聴いている状態で、ちょっとPCから離れたい場面ってよくある。物を取りに行くとか、トイレに行くとか。そんなとき、有線だと毎回ヘッドホンを外す必要があるが、無線だとその必要が無い。無線によるストレスフリーなメリットは大きい。しかも近年では、aptX HDやLDACなど、ハイレゾ級の高音質かつ低遅延のコーデックがあるため、音質面でも充分だと考えた。少なくとも、無線の快適さというメリットが多少の音質低下というデメリットを上回っているのは間違いないと思った。

再検討後の要求事項

以上の経緯を経て、要求事項を再検討した。

製品選択

家用ヘッドホン

結論から言うと、SonyWH-1000XM2を購入した。

ノイズキャンセリングなら、SonyBose(偏見)。
ノイキャンワイヤレスヘッドホンという条件で調べると、SonyはWH-1000XM2。BoseQuietComfort 35 wireless headphones II (QC35)。
しかし、QC35は対応コーデックがSBC・AACのみと対応状況がよろしくない。よって、WH-1000XM2に決定。
WH-1000XM2の対応コーデックは、SBC・AAC・aptX・aptX HD・LDACと完璧。バッテリーが約30時間持つというのもgood。

外用イヤホン

こちらも結論から言うと、SonyWI-1000Xを購入した。

こちらの対抗馬はBoseのQuietControl 30 wireless headphones (QC30)。家用ヘッドホンと同様、コーデック対応状況の差でWI-1000Xに軍配。
こちらも対応コーデックはWH-1000XM2と同じで完璧。ノイキャン付き。バッテリーも約10時間持つのでイヤホンタイプとしては充分。

イヤホンタイプかつ持ち運ぶ物なので、断線・水濡れが心配。なので、保証を付けるためにソニーストアで購入。ちなみにMy Sony IDを新規登録すると、ソニーストアで使える10% offクーポンが貰える。

まとめ

約75,000円溶かした。後悔はしていない。

2017 My Best 10 Films

2017年に観た映画の本数は48本。
その中で、2017年日本公開の新作ベスト8と、2017年に観た映画48本のベスト10(旧作含む)を紹介する。

2017 my best 8 films

  1. The Handmaiden
    (Park Chan-wook. South Korea: 2016)
    The Handmaiden
  2. La La Land
    (Damien Chazelle. United States: 2016)
    La La Land
  3. Hanagatami
    (Nobuhiko Obayashi. Japan: 2017)
    Hanagatami
  4. The Wailing
    (Na Hong-jin. South Korea: 2016)
    The Wailing
  5. Tremble All You Want
    (Akiko Oku. Japan: 2017)
    Tremble All You Want
  6. Before We Vanish
    (Kiyoshi Kurosawa. Japan: 2017)
    Before We Vanish
  7. KING OF PRISM -PRIDE the HERO-
    (Masakazu Hishida. Japan: 2017)
  8. Nocturnal Animals
    (Tom Ford. United States: 2016)
    Nocturnal Animals

2017 all time my best 10 films

  1. Phantom of the Paradise
    (Brian De Palma. United States: 1974)
    Phantom of the Paradise
  2. Picnic at Hanging Rock
    (Peter Weir. Australia: 1975)
    Picnic at Hanging Rock
  3. The Handmaiden
    (Park Chan-wook. South Korea: 2016)
    The Handmaiden
  4. GONE GIRL
    (David Fincher. United States: 2014)
    GONE GIRL
  5. La La Land
    (Damien Chazelle. United States: 2016)
    La La Land
  6. Lunacy
    (Jan Švankmajer. Czech Republic Slovakia: 2005)
    Lunacy
  7. Roman Holiday
    (William Wyler. United States: 1953)
    Roman Holiday
  8. The Innocents
    (Jack Clayton. United Kingdom: 1961)
    The Innocents
  9. Imprint
    (Takashi Miike. United States: 2006)
  10. Hanagatami
    (Nobuhiko Obayashi. Japan: 2017)
    Hanagatami

P.S.

来年は100本以上観たい…。