Roberto Giobbi(ロベルト・ジョビー)の Card College(カード・カレッジ)シリーズを全巻読んだので、カード・カレッジのトリックベスト 6 を出してみた。
なお、各トリックのページ番号は 1-4 巻は東京堂出版の邦訳版で、5 巻はスクリプト・マヌーヴァ出版の邦訳版に対応。
1. トリメンタル
(Juan Tamariz and Louis Zingone, “Trimental,” vol. 4, pp. 126)
シンプルかつ強力な現象。複数の観客が参加した上でそれぞれの観客の持ち物を使うため、観客をトリックに強く巻き込める。好みに応じてメンタリズム的な要素を強めることができ、より本格的なメンタリズムの演技へと繋げることもできそう。観客の人数やトリックのハンドリングを柔軟に変更できる点も魅力的。
2. ミラクル・エーセス
(Roberto Giobbi, “The Miracle Aces,” vol. 4, pp. 106)
原理上、非常にクリーンなエースカッティング。原理を知らなければマジシャンでも不思議だし、原理を知っていても思った以上に上手くいくため不思議。最後のエースの出現方法に色々な可能性が開かれている点も良い。
3. All's Wells That Ends Wells
(Roberto Giobbi and Larry Jennings, “All's Well That Ends Well,” vol. 5, pp. 312)
アンビシャスカード・トライアンフ・オイルアンドウォーターの現象を詰め込んだ欲張りなトリックだが、タイムマシンをモチーフにすることで綺麗にまとまっている。砂時計を取り入れ時間の流れを可視化する演出も良い感じ。
4. 脈拍の変化
(“The Jumping Pulse,” vol. 1, pp. 232)
観客が演者の脈拍の変化を読み取り(!)演者が選んだカードを当ててしまう。本当にこの通りの現象なので強烈でない筈がない。
5. 手の中のカード
(Theodore Annemann, “A Card in Hand,” vol. 1, pp. 137)
超シンプルなカードの変化現象。しかし観客にカードを渡した時点で、そのカードが観客のカードでないと確信させることができれば、これは間違いなく奇跡になる。ある程度マジックに習熟してからこそ、こういったトリックを奇跡に昇華することに注力したい。
6. The Happy Birthday Card Trick
(Walter B. Gibson, Roberto Giobbi, and Harry Blackstone, “The Happy Birthday Card Trick,” vol. 5, pp. 83)
「Happy Birthday to You」を歌いながらカードを配っていくと観客のカードが現れる!シンプルで楽しいトリック。言ってしまえばスペリングトリックだがパズル感が無く、とても良い。ちなみにコントロール方法は記載の方法よりシンプルにできそう。