※ いつも通り『サイバーパンク2077』のネタバレを含みます。
2020 年 12 月に発売された何かと話題のゲーム『サイバーパンク2077』を、女 V で太陽・星・節制・悪魔エンディングをクリアしたので感想を書いてみる。
前提として自分の状況は次の通り。
結論から言うとなかなか楽しめている。本作の舞台であるナイトシティとそこで展開されるストーリーはいわゆる「サイバーパンク」的な世界観としてはベタかも知れないが、そのベタなサイバーパンク的オープンワールドに一人称視点で没入しロールプレイするのは非常に楽しい。この点だけで本作は十二分に評価できるしここが本作の肝であるように思う。
以下、その他良かった点と良くなかった点をそれぞれ挙げてみる。ゲーム開発には詳しくないのであくまで憶測に過ぎないが、現時点での本作の内容(システム・ストーリー・分岐・状態遷移・グラフィック等)や価格(開発費との相関という意味で)を考えると、8 年という開発期間をもってしてもリソース的に厳しい状況が予想される。そして、これが良くなかった点の大部分に影響しているように思える。なので、良くなかった点として挙げている項目についてもある程度は仕方無いのかなという気もする。
その他良かった点
- クイックハックを使った戦闘(壁越しに敵にハックし、自殺するように仕向けたりできる)
- ブレインダンス(BD)編集による他人の記憶内での捜査
- ジュディさんとのロマンス描写の丁寧さ(『ピラミッド・ソング』の一連の演出が非常に雰囲気良い)
- パナムさんにアプローチして断られる女 V さんのアレな感じ
- マロリアン・アームズ 3516 のリロードの格好良さ
- リパードクのヴィクに人口眼を入れてもらうときの演出
- メレディス・スタウトさんに唐突に襲われる
- 少なくとも自分が PC 版でプレイした環境では、重大なストレスを感じるほどの致命的なバグが無かった(ちょっとした進行不能バグには遭遇したことはあるのでこまめにセーブはした方が良い)
良くなかった点
- 飲食店で飲食物を注文してもその場で飲食する演出が無い
- BD を買っても再生できない(そもそもそのような機能が無い)
- 見た目や性別を後で変更できない(この仕様は世界観に合わない)
- 車を自動運転できない(観光的に街を眺めてみたい)
- ライフパスがストーリー進行にほぼ影響しない
- 現在判明しているエンディングは 6 つで、基本的に各エンディングにタロットカードの大アルカナの名前が付いている(太陽・悪魔等)。大アルカナは 22 枚あるので、本当はもっとエンディングの種類があったのではないかと邪推してしまう。メインストーリーが比較的短い点や、現状ではライフパスがエンディングに影響しない点もこの考えを強化する
- ストーリー等で度肝を抜かれるような展開が見られなかった(一部エンディングやサイドジョブは未クリアなのでそれらは除く)
- 戦闘上のラスボスであるアダム・スマッシャーさんが弱い(NCPD やボクシングの王者達の方が苦戦する)
- BD 編集パートの少なさ(この BD 編集というシステムのポテンシャルを活かせていない)
- NPC の AI が賢くない(悪い意味で人間的な動きをしてくれない)
- セックス描写に新鮮味が無かった。肉体的な繋がりだけでなく、脳を繋いで精神的に感覚を共有するようなセックス描写があると面白かった気がする。実際にどう演出するかは難しそうだが、パナムさんとバシリスクに乗るときにこれに近い試みをしている気がする(ここでも革新的なものにはなっていなかったし、やはり難しいのかも知れない)
- メレディス・スタウトさんとのセックス描写が淡白で、恐らくジョイトイとのセックス映像との使い回し。ジョン・マラコック卿を使った演出とか欲しかった
- 『サイバーパンク2077』や『SAMURAI』という名前のダサさ(これは原作の『サイバーパンク2.0.2.0.』に由来するのかも知れない。少なくとも前者はそうだろうが後者は不明)
まとめ
色々と書いたが、面白いゲームだし今後のアップデートにも期待している。お勧めです。
追記(2020/01/17)
サイバーパンク2077でジュディやパナムが感情的にキレたりすることやキャラクターの性的指向に対してネガティブな感想も見受けられるけど、むしろ都合の良いキャラクターでない辺りがこのゲームの良さだと思う
— haru (@haruu_52) 2021年1月17日