Blufflog

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Card Minded by Martin Gardner

現象

デックがシャッフルされ、そのデックを観客 A が 2 つのパケットにカットします。観客 A がパケットを 1 つ選び、その中から 1 枚のカードを自由に引いて覚えます。そして、そのカードをもう一方のパケットの中に入れます。観客のカードを含むパケットが観客自身によってシャッフルされた後に、観客 B がその中から 1 枚のカードを抜き出します。驚くべきことに、観客 B が抜き出したカードが観客 A の選んだカードです。

コメント

ある観客の選んだカードを他の観客が当ててしまうというプロットです。演者がカードを当てるという通常のプロットとは異なる点がまず面白いのに加え、演者がカードをほとんど操作しないことで不思議さが強まっていると思います。

そしてなにより、観客 B がカードを当ててしまう方法・原理がとても面白いです。

本手順では観客 B がカードを当てるわけですが、この理由の演出を考えるのも面白そうです。例えば、

  • 演者が自身の魔法の力を観客 B に授ける(そして演技終了時に忘れずに返してもらう)
  • 演者が観客 A の心の中のカードを読み取り、その情報を観客 B にテレパシーで伝える(または暗示をかける(ふりをする))
  • 観客 B が潜在的に持つ第六感を(一時的に)開花させる

などなど、面白い演出が色々考えられそうです。

なお、解説されている手順のコンセプトやコアな原理自体は非常に面白いものの、細部のハンドリング自体には微妙な点もあると思います。なので、実際に演じる際はその辺りを工夫した方がよいかもしれません。

収録文献

自分は Ted Annemann の『Annemann's Card Magic』で読みました。この本自体が『The Jinx』からの抜粋のようなので、『The Jinx』にも載っていると思いますし、マーチン・ガードナーの作品とのことなのでガードナー自身の本にも載っているかもしれません。