Blufflog

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Inside Out (Ben Earl)

今回は Ben Earl の『Inside Out』について。予約購入してしばらく放置してましたが、最近読んだので感想を書いてみます。 結論はおすすめです。 どのトリックもレギュラーデック一組など簡単な道具だけで演じられ、特殊な道具や準備は不要です。クロースア…

ファイルを暗号化する CLI ツール Encrypter を作りました

IT

たまにファイルやディレクトリ(フォルダー)を暗号化したいことがあり、CLI でやるなら一般に OpenSSL や GPG を使うことになるように思います。しかしこいつらが微妙に使いにくかったり痒い所に手が届かなかったりするような気がします。 そこで Encrypter…

脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦(渡辺 正峰)

渡辺 正峰著『脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦』1 を読んだので、今回はその感想を書いてみる。 意識のアップロード!(意識の機械への移植)というサイバーパンク的な内容に釣られて読んだが、意識研究を中心とした脳科学の歩みについて概観できてシ…

マインド・ミステリーズ(リチャード・オスタリンド)

実は見てなかったシリーズということで、今回はリチャード・オスタリンド(Richard Osterlind)の『マインド・ミステリーズ』(Mind Mysteries)シリーズ 1 について。以前から部分的には見ていたものの実は通しで全巻を見たことが無く、今回、と言っても結…

回路 小説版(黒沢 清)

……もしも……死んでもひとりだったらどうする? 今回は黒沢清の『回路』1 について。映画 2 でなく小説版について書くが、本質的にはほとんど共通する。映画の『回路』については別の機会に書こうと思う。 回路の世界では、人は死後、魂(意識)だけの存在とな…

最も大事で最もどうでもいいこと

今後不定期で「死」を題材にした記事を投稿していこうと思う。死に関する小説や映画などのあらゆる表現・哲学・思想・科学・病気・その他自分が考えたことなど、様々な面から死について書いていく。 人は死ぬから生きていると言えるので、死について考えるの…

Mac OSは標準でアンチウイルス機能を持っている

IT

TL;DR Mac OS(macOS)は標準でアンチウイルス機能を持っている。 背景 なぜ今更こんなことを書くかと言うと、Windows については OS 標準で Windows Defender というアンチウイルス機能があるためサードパーティーのアンチウイルスソフトは不要という記事等…

事件現場から: セシルホテル失踪事件

今月配信が始まった Netflix のドキュメンタリー『事件現場から: セシルホテル失踪事件』を観た。 本作はいわゆる「エリサ・ラム事件」をメインの題材として、この事件の顛末を解説していく。 エリサ・ラム事件と言えば未解決事件的な文脈で有名だと思うが、…

闇動画4

面白かったので。ただ観たの数ヶ月前で記憶が曖昧なので細部で間違ってたらごめんなさい。別の作品と混同している可能性めっちゃある。 なお、以下の各話あらすじは Amazon.co.jp: 闇動画4を観る | Prime Video から引用。 合い鍵 映像提供者の同僚は結婚を…

アナーキー・国家・ユートピア

https://www.amazon.co.jp/dp/4833221705 ロバート・ノージック著『アナーキー・国家・ユートピア』1(原著 2)が面白かったので簡単にその感想を書いてみる。 本書の論理展開はほぼジョン・ロック的な自然権のみを前提としておりどのような形態であれ国家を…

サイバーパンク2077(ネタバレ有)

※ いつも通り『サイバーパンク2077』のネタバレを含みます。 2020 年 12 月に発売された何かと話題のゲーム『サイバーパンク2077』を、女 V で太陽・星・節制・悪魔エンディングをクリアしたので感想を書いてみる。 前提として自分の状況は次の通り。 ゲーム…

ACAAN by Dani DaOrtiz

Dani DaOrtiz の Any Card At Any Number (ACAAN) で、Gkaps にてストリーミング動画形式で販売されている。Dani はこの他にも様々なバージョンの ACAAN を演じているがこのバージョンが基本形だと思う。 ちなみにこのトリックは厳密な ACAAN の現象とは異な…

The Shift #2 by Benjamin Earl

Benjamin Earl. The Shift #2. 2019. https://www.studio52magic.com/product/the-shift-2/. Effects 今回の手順は全てスタンディングでできる点が特徴。特殊なスライトは使わないものの、特定のスライトを多用するため相当に上手くないと実演は厳しそう。 S…

Dani DaOrtiz: Connected by Dani DaOrtiz

今回は数日前に発売されたばかりの Dani DaOrtiz の『Dani DaOrtiz: Connected』について。 COVID-19 パンデミックの影響から世界的に social distancing, stay home が要求される中、完全リモート(オンライン)でできるマジックのレクチャーを見かけるよう…

Card College Light シリーズのトリックベスト 5

1. Cardstalt, Cardstalt Plus by Morris Seidenstein (Moe) 以前、こちらに記事を書きました。このトリックには練習しにくいという弱点があるのですが、Cardstalt Trainer という練習ツールを作って公開しているのでご活用ください。 2. The Telephone Tric…

カード・カレッジのトリックベスト6

Roberto Giobbi(ロベルト・ジョビー)の Card College(カード・カレッジ)シリーズを全巻読んだので、カード・カレッジのトリックベスト 6 を出してみた。 なお、各トリックのページ番号は 1-4 巻は東京堂出版の邦訳版で、5 巻はスクリプト・マヌーヴァ出…

The Ultimate Guide To The Pass by Alex Pandrea

Alex Pandrea の The Ultimate Guide To The Pass。数年前に出たけどあまり話題になってない気がする。 Classic Pass 基本のクラシックパス。やはりカバー無しでは見えるというスタンス。 Brick Pass 2.0 Brick Pass のバージョン 2.0。従来のものよりやや動…

Card College 1&2 Personal Instruction The Complete Course by Roberto Giobbi

Roberto Giobbi 先生の『Card College』Vol. 1, 2 の映像版。このレクチャー DVD の存在は知っていたものの絶版だと思っていた。が、Giobbi 先生のサイトでダウンロード版を発見したので購入。 元々 €125 のところ €49.95 で買えるのでお得。€125 というのは…

最近の練習方針

以前は Roberto Giobbi の『Card College』や David Roth の『Expert Coin Magic Made Easy』などを教材として基礎技法を一通り、ある程度できるようになったら、後は演じたいトリックに必要な技法を練習する、という方針で練習していた。 が、Benjamin Earl…

The Shift #1

Benjamin Earl の新刊、のはずが、早くも昨年末に『The Shift #2』が出てしまったため慌てて読んでレビュー。#2 が届く前に読み終わって良かった…。 (Benjamin Earl. The Shift #1. 2019. https://www.studio52magic.com/product-page/the-shift-1.) Effects…

2019 年映画ベスト

2019 年に観た初見の映画の本数は 100 本。その内、2019 年日本公開の新作は 22 本(先行上映を含む)。 ここでは新作ベスト 6 と、新旧合わせた初見ベスト 10 を記録しておく。 新作は昨年同様あまり観ていないので特に良かった作品ベスト 6 まで。 2019 年…

Cardstalt

先日、日本語版が発売された Roberto Giobbi の『Card College Lightest』をざっと眺めていたところ、Cardstalt というトリックが目に止まり非常に面白かったので紹介する。 現象 Cardstalt 観客にデックから同じバリューの 4 枚のカードを抜き出してもらい…

本当に怖かったホラー映画

随時更新。 回路 (Kiyoshi Kurosawa. Pulse. Japan: 2001.) クニコ(死画像) (Shigazo. Japan: 2015.) 蜘蛛の瞳 (Kiyoshi Kurosawa. Eyes of the Spider. Japan: 1998.)

地獄でなぜ悪い

『地獄でなぜ悪い』(Sion Sono. Why Don't You Play in Hell?. Japan: 2013.)を観た。 これは自分が偉大な表現を生み出すためには全てを犠牲にしても構わないという非常に自己中心的な狂人の話で、この思想・価値観が響くかどうかで好みが分かれそう。ちな…

ゴーストランドの惨劇

今更ながらパスカル・ロジェ監督の『ゴーストランドの惨劇』1 について。 非常に大好きな映画です。 以下ネタバレありの感想。ネタバレ要素が本作の本質ではないとは思うが一応(例えば『ファイト・クラブ』も所謂ネタバレ要素はあるが、そこが作品の本質で…

Bluffbox

Bluffbox というマジックのレパートリーなどを管理できる Web サイトを作ったので公開します。 https://bluffbox.haru52.com/ マジックのレパートリーを管理していないと、自分がどんなマジックができるのかが分からなくなりがちです(少なくとも自分は)。…

『初めてのJavaScript 第3版』を読んだ

オライリーの『初めてのJavaScript 第3版』1 を読んだ。 JavaScript をよく分かっていなかったので、ECMAScript 2015 (ES6) を一通り体系的に学べて良かった。 JavaScript 本だとオライリーのサイ本こと『JavaScript 第6版』が有名だが、ES6 非対応なので、…

Paper Work (Asi Wind)

今回は Asi Wind(アシ・ウィンド)のレクチャーノート『Paper Work(ペーパー・ワーク)』1 について。日本語訳がマジックランドから出ており、現在、以下のサイトで購入可能。 マジックランド MAJION monthly Magic Lesson Shoppers 3-D Telepathy(3-D テ…

トライアンフの向き問題

トライアンフで現象を示す際のカードの向きはしばしば議論の的になる。そこで、この件についての自分の考えを好き勝手に書いてみる(異論はあると思うが…)。候補は次の 2 つ。 裏向きのカードの中で観客のカードだけが表向きになる 表向きのカードの中で観…

カードマジックデザインズ

今更ながら、佐藤 総さんの名著『カードマジックデザインズ』1 について。 本書の目玉は何と言っても「ミミック・ショウ」。この原理はマニアであればあるほど凄さが分かる原理・技法の典型だと思う。例えば初心者がこの原理を知っても、他の原理・技法と比…